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【土門「辛」聞】
TPPは衝撃の決着が待っているらしい。この期の農協の自粛モードは何なんだ!?
- 土門剛
- 第131回 2015年07月31日
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先月号の原稿を編集部に渡した後、急転直下、米国議会で大統領に貿易促進権限を与えるTPA法案が通過した。TPP交渉絡みの予測で、大きく外したのは、今回が初めてだ。
TPA法案、ご存じのように議会が、大統領に交渉権限を付与するもので、これでTPP交渉は軌道に乗る。最大の注目は、7月末の事務レベルの首席交渉官会合の動向。その結果次第では閣僚による早期の政治決着ということもあり得る。
気になるのは、交渉内容だ。安保法制と同時決着というのも気になる。安保法制同様に米国の要求丸呑みするのではないかという懸念。農産物の市場開放には賛成だが、すべてが秘密に包まれているTPP交渉には反対だ。まるで学生時代に経験したことのある「闇鍋」に等しい交渉だ。TPP交渉と安保法制、これらに共通するのが、歴史観と哲学、それに教養の欠如という合わせ技の産物と思えば、ため息が出てくる。
焦点のコメ輸入量の増枠。年5万tという数字を毎日新聞が報じたのは、今年1月頃。現行の年間輸入枠は77万tだから、5万tという数字を目にしたとき、この数字なら、いまでもサインをしたほうが得だと思ったものだ。何よりも甘利TPP相とフロマン米通商代表が角突き合わせることもないはずだ。
その程度ではすまないと思っていたら、4月3日付け北海道新聞が「コメ輸入枠『10万t』 政府が提示後に撤回 日米TPP協議」という記事を書いてきた。
気になるのは、交渉内容だ。安保法制と同時決着というのも気になる。安保法制同様に米国の要求丸呑みするのではないかという懸念。農産物の市場開放には賛成だが、すべてが秘密に包まれているTPP交渉には反対だ。まるで学生時代に経験したことのある「闇鍋」に等しい交渉だ。TPP交渉と安保法制、これらに共通するのが、歴史観と哲学、それに教養の欠如という合わせ技の産物と思えば、ため息が出てくる。
焦点のコメ輸入量の増枠。年5万tという数字を毎日新聞が報じたのは、今年1月頃。現行の年間輸入枠は77万tだから、5万tという数字を目にしたとき、この数字なら、いまでもサインをしたほうが得だと思ったものだ。何よりも甘利TPP相とフロマン米通商代表が角突き合わせることもないはずだ。
その程度ではすまないと思っていたら、4月3日付け北海道新聞が「コメ輸入枠『10万t』 政府が提示後に撤回 日米TPP協議」という記事を書いてきた。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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