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今年の市場相場を読む

取り戻せるか野菜文化と“ゆとり” サラダ菜/パセリ/シシトウ/シュンギク


【今後の対応】
シシトウは、不況下で業務用需要が減った。安くなった機をとらえて販促アピールをしなかったのは産地の失敗だ。もともとツマ物用のトウガラシだったため、家庭用として使う習慣はなかったし、あまりにも小さすぎて調理が容易ではなかった。同じトウガラシなら、これからは甘長などが食味的にも優れている。ピーマンのパイを食って成長できるのはむしろこのタイプだろう。だとすればシシトウの伸びシロは小さい。

シュンギク
65%もの減少は異常すぎる。復興の牽引役 “ゆとり”に期待

【概況】
東京市場のシュンギクほど、過去20年で減った主要品目はない。入荷量で65%もの大幅減であり、当然のことながら、一方で単価は5割高くなった。年間6000tレベルの主要品目が2000tの“品ぞろえ”品目並みになってしまったのだ。とくに夏場は8割前後も減少。主産地は相場に敏感な千葉。不景気、水菜の登場などで相場が下がると、簡単に生産縮小や転換する。事情ははっきりしている。

【背景】
よほどのことがない限り、20年間で65%も減らない。水菜代替説だけでも説明できない。大きく入荷が減った夏場などはキロ1500円にも。近郊産地が有利な軟弱野菜にもかかわらず、東北・北海道からも入荷しているのは、ひたすら高単価になるからだ。シュンギクは理由もなくただ減った。日本の食文化に欠かせないはずの野菜だ。鍋物ひとつとっても、色の薄い水菜が入った鍋は見た目も良くない。ゆとりは伝統に敏感になる。

【今後の対応】
和食のなかでも独特の食味、香りを持っている品目だ。が、もっとおいしいシュンギク品種や食べ方の普及は必要。大幅に減少していても、シュンギクは決して衰退品目ではない。東京ではメジャーな「木立ち」シュンギクは、本来は葉だけ摘んで食べる。葉はまた出てくる。江戸の書物に出てくるほど昔からのおいしい食べ方だ。地方には葉だけのシュンギクもある。東京でも江戸川区あたりで生産されている。シュンギクの捲土重来(けんどちょうらい)は間違いない。

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