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特集

消費構造の変化に伴う 宅配ビジネスのいま



【消費拡大に最大のキーワードは「健康」】

全国的に温州ミカンの消費は減る一方だ。1980年からの30年間で3分の1になっている。その購買層は主婦や高齢者が中心。同JAが改めてこうした購買層に訴求する起爆剤として用意したのが今回の機能性である。機能性表示を取得する理由について、後藤善一組合長は次のように語る。
「高齢者の楽しみは何かといえば、スポーツをしたり旅行に行ったりすることでしょう。それなのに骨がもろくなってスポーツも旅行もできないとなれば、残りの人生の楽しみの大半が失われてしまう。温州ミカンがその予防に役立つなら、ぜひそれを伝えて、もっとミカンを食べてもらって健康に役立ててもらいたい」

【関係機関と10年前から機能性を研究】

もともと温州ミカンが骨の健康を保つのに役立つという機能性を解明したのは、農研機構・果樹研究所が事務局を持つ果樹研究試験推進協議会。同JAも2006年から参加し、会員の食品メーカーや浜松医科大学などと温州ミカンの機能性の解明に尽力してきた。
とはいえ、当時は機能性表示が存在しない時代。温州ミカンの効能を解明したところで、それを販売にどう活用するかの見通しはなかった。ただ、協議会のメンバーは「いずれ時代が変わる日が来る」という強い思いだけで行動してきたという。だからこそ、機能性表示制度が今年4月に施行された際、真っ先に登録を申請できたのだ。後藤組合長は「うちは準備期間が違うからね」と話す。
現段階では受理されていないものの、後藤組合長は「すでに大きな成果を得ている」と手ごたえを感じている。機能性表示制度では生鮮品として先駆けて申請を進めたことで、マスコミ各社がそれを相次いで報道してきたからだ。事実、同JAには各方面から反響が届いている。同JA営農経済部柑橘販売センターの樋田剛久センター長代理によれば、同JAの出荷量のうち、98%を占める市場関係者からは「いつ認可されるのか」といった声が続々と届いているという。
期待が大きい反面、懸念事項もある。最も心配なのは、機能性を表示した出荷箱に別の産地の温州ミカンを詰め換えることだ。そうなれば、他産地の温州ミカンが機能性をうたったものとして出回る恐れがある。もしそんな偽装が起きて発覚すれば、JAみっかびのブランドは損われてしまいかねない。この事態を未然に防ぐため、同JAは出荷箱を再利用しないよう、すべての取引先と誓約書を取り交わしていく。

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