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土門「辛」聞

1県1農協「JAしまね」に農業振興策は期待薄。貯金集めと共済重視で競争を怠ってきたツケ

輸入農産物を特売しながら「農業を守れ」には呆れる

島根県内の11農協が「1県1農協」を決議したのは、2006年の県農協大会だった。10年近い準備期間をかけて、政府が農協改革案を閣議決定する1カ月前というタイミングでの合併のお披露目は、多分に政治的な思惑があったかもしれない。
新たに誕生した「JAしまね」は、組合員に占める准組合員の比率が、全国5位の69.9%。地方の農協にしては准組合員の比率が高すぎる。上には、大阪(80.8%)、北海道(80.3%)、神奈川(79.3%)、東京(78.3%)がある(いずれも農水省作成の総合農協統計表13年度版)。農地の少ない大都市圏に准組合員が多いというのはわかるが、意外なのは北海道。面積が広く、町から外れると金融機関は郵便局と農協しかないという事情もある。
JAしまねにも事情がある。全県で多いというのではない。いまは出雲地区本部と呼ぶ県央部にある旧JAいずもが突出して多いことだ。組合員6万6000人のうち、准組合員は5万3000人。その比率は80.8%。その数は出雲市の人口(約17万人)の3分の1近くに匹敵する。とにかく大都市圏の農協並みの准組合員比率とは驚かされる。なお島根県全体の准組合員の3分の1も、この出雲地区本部の分。早くから農家や農業だけに頼らぬ経営方針を貫いてきたことの裏返しとなる数字だ。

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