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シリーズ水田農業イノベーション

実況中継!!全国の乾田直播2015年編 第7回雪国直播サミット in Iwamizawa

2009年に初めて開催された雪国直播サミットが今年7年目を迎えた。当初は「技術課題」であった乾田直播挑戦者の悩みも、いまでは「経営課題」へと変化を遂げた。乾田直播に挑戦を続けてきた勇者らの足跡をたどる棚卸の意味を込めた今回のイベント。会場ではどのようなことが語られたのだろうか―。   文/齊藤義崇、撮影/昆吉則・土を考える会事務局

幕開きから7年分の棚卸へ

雪国である北海道と東北。厳しい寒さと豪雪の気候は、温暖な地帯をルーツとする水稲栽培に、幾度となく冷害の被害をもたらした。全国の水田面積(転作率)はおよそ250万ha(42%)、北海道20万ha(55%)、東北60万ha(40%)。冷害の克服に加え、需要の減り続けるコメは生産調整を余儀なくされ、昭和40年代の機械移植の普及以降、水稲の技術革新は進まなくなった。そんななかでさまざまな角度から注目された直播栽培だが、とくに乾田直播(以下、乾直)は、変わり者の挑戦者たちの「草だらけの危険な栽培方法」でしかなかった。
その変わり者の挑戦者たちの集い「雪国直播サミット」は今年で7回目。去る8月21~22日の2日間、北海道岩見沢市で開催された。2009年の第1回目の開催地は北海道岩見沢市、それ以来、第2回は岩手、第3回は北海道妹背牛町、第4回は青森、第5回は北海道名寄市、第6回は宮城と、北海道土を考える会と東北土を考える会が隔年で企画運営をしてきた。
今回のサミットが、原点回帰、棚卸と銘打ったのは、岩見沢で乾直の栽培を行なう挑戦者の取り組みが、7年のときを経て全国一の400haの大団地を形成するに至ったからだ。偉業達成のキーワードは、「水田の輪作」「GPSの駆使」「直播の収量UP」の3つ。すべてが実現し、革新技術は地元で当たり前になりつつある。今回は東北の挑戦者に加え、全国から80名余りが参加した。2日間の棚卸作業の全容を実践者紹介と技術革新の視点から報告する。

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