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紀平真理子のオランダ通信

オランダのブドウ生産を守る有機農家

施設園芸で有名なウェストランドにある家族経営の有機ブドウ生産者、Druiven kwekerij社を訪問した。1885年から130年続く歴史ある生産者で、現在農場を仕切っているJansen夫妻は4代目だ。夫のArnoldさんが生産現場を中心に、妻のHildeさんは販売、マーケティングを中心に役割分担をしながら支え合っている。
3500平方mのグラスハウス内で7品種を栽培し、年間1000tを収穫。Black Alicanteというスペインの古代種やLeopoldIIIというベルギーの珍しい品種を栽培しており、Westland grapeには原産地名称保護(PGI)が付与されている。いずれもべと病耐性が低くて栽培が難しい。それが付加価値になって高値で販売している。
3月には週7日植栽などの作業、その後4~6月に芽かきや剪定。基本的には家族4人のローテーションだ。8~11月には15人の作業員が収穫を行なっている。これらの作業は経験と技術が必要なため、主に元ブドウ生産者をパート雇用している。
というのも、1990年代以降、エジプト産やスペイン産の価格の安いブドウがオランダに流入してマーケットを独占し、廃業に追い込まれたブドウ生産者が数多くいたのだ。そんななかでArnoldさんは2008年から正式に有機栽培に転向した。「パート賃金が高いわけではないが、皆ブドウ栽培にかかわれることを喜んでいるよ。でも年齢が58~85歳と高齢なので今後について対策を考えないと」と話す。

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