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Opinion

衝撃が走ったジャガイモシロシストセンチュウの発見

8月19日、北海道網走市でのジャガイモシロシストセンチュウ(学名:Globodera pallida、以下Gp)感染確認の報告に衝撃が走った。ジャガイモ業界関係者にとっては寝耳に水の驚愕事件である。また一つ、ジャガイモの栽培で大きな障害を抱えることになるのか。
それにしても、農林水産省が同日付けプレスリリースで「急速にまん延するおそれはない」と発表した根拠は一体なんなのか。今回発見されたものとは異なる種類のジャガイモシストセンチュウ(学名:Globo- dera rostochiensis、以下Gr)では毎年のように新しい感染の報告が続き、北海道内のジャガイモ主産地に非汚染地帯を見いだすことが難しいほどに感染が進もうとしている。一部地域では見つかることが心配で、検査することそれ自体が恐ろしいという声さえある。
2006年4月13日、米国・アイダホ州東部のジャガイモ加工場に付属する選果場で採取されたTare(ジャガイモに付着していた土砂)の中からGpが確認された。これは米国での最初の発見であった。選果場での土壌採集は毎日行なわれているが、1週間分を混合してまとめてアイダホ大学センチュウ研究室で検査することになっていた。
Gp発見の余波はすぐ現れた。アイダホ州からジャガイモを輸入していたメキシコ、カナダ、韓国、そして我が日本もすぐにジャガイモの輸入を禁止した。折しも日本では、米国の長年の悲願であった日本へのポテトチップ用ジャガイモの輸出が解禁になったまさしくその最初の年にこの事件は起きた。

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