ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

「日米は自由貿易圏」なんて勘違いするなよ!

1987年6月、米国ミネソタ州のジョンディア・トラクター販売店に行き、4畦のプランターを購入したことは以前にも書いた。 後日談がある。その販売店に行く時点で、どのような仕様にするかは事前にファックスのやり取りで決めていたので、支払いは北海道銀行発行のドル建て小切手を持参して手渡した。
決して大きな販売店ではなかったが、ショーケースを見渡すと北海道では売っていない珍しい工具や、何に使うのか悩む小物がたくさんあった。プランターに追加で装着したいパーツもあったので、20フィートコンテナに入れて北海道苫小牧まで送りたいと考えていたが、追加の支払いをどうしたらよいのか迷っていた。
そんな私の頭の中を担当者はしっかりと見透かしていたようだ。彼は「好きなものを選んで、日本に着いてから払ってもいいよ」と信じられないことを言った。本当かよ? 私のことを信用してくれるの?
日本人と話したことも会ったことも初めてだという田舎の金髪・ブルーアイの米国人が何を根拠に私を信用したのかいまもって疑問だが、来年訪れるときにでも聞いてみようと思う。
いま考えても圧巻の米国であった。何がって? この地域の約9割の住民が金髪・ブルーアイなのだ。日没後のアブナーイ雰囲気たっぷりのLAしか知らなかった28歳の日本人には衝撃的な、いや自分が描く本当の米国がそこにあったのだ。
この地域とは長い付き合いになるとそのときは思い、事実そのようになった。
本当の後日談はここからで、6カ月ほどして北海道銀行から電話があった。なんでも相手先に渡した小切手を販売店が紛失してしまい、もう一度小切手を送ってくれとのこと。銀行からは「これはよくある詐欺かもしれませんよ」と忠告されたが、いままでの経緯や、全米でも一番大きなジョンディア・トラクター販売店である点、とくに私を信頼してくれた点を説明して、再発行の手続きをした。

関連記事

powered by weblio