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成田重行流地域開発の戦略学

内藤とうがらし復活物語

全国で地場産品を活用した地域開発に携わっている人がいる。オムロン元常務で、現在は地域プロデューサーとして活躍する成田重行さんだ。企業で培った経営者としての才覚を、地域開発にもいかんなく発揮した市町村数は30に及ぶ。その豊富な実践事例から地域開発における戦略を学びたい。 文・撮影/窪田新之助
百貨店の店舗別売上高でトップを誇る伊勢丹新宿本店(東京)。その地下1階にある食品売り場で10月7日からの1週間、ちょっとした異変が起きた。NPO法人おいしい水大使館が、メインステージである「フードコレクション」のコーナーに店を構えたのだ。一般の食品会社ではなくNPO法人がここを借り切るのは異例だという。
非営利団体をそのフロアの顔にするというのは、伊勢丹にしてもNPO法人にしても、ある種の賭けともいえる大きな試みだろう。そこまでの覚悟を持って両者が仕掛けたのは「新宿内藤とうがらしフェア」。後ほど述べるように、新宿と深い縁があるこのトウガラシの存在を広めようと、その加工品をさまざまに提案したのだ。
他店もこの動きに同調した。事前にNPO法人が伊勢丹地下の各店を集めてフェアへの参加を呼びかけたところ、40社が協賛することになった。協賛各社は、内藤とうがらしを炊飯器で一緒に炊きこんだおにぎり、ペーストにした七味、ドレッシング、おかきなどを店頭に並べた。
百貨店で、一つだけの特産に着目して、各社が足並みをそろえるのは珍しい。買う人は、値札のそばに内藤とうがらしのマークがあるので、その存在が一目でわかる。そのマークをたどることで、各店が内藤とうがらしをどう使いこなしたかを楽しめたはずだ。

江戸の新宿に広がった
赤いじゅうたん

内藤という名前については、本誌の前号特集をご覧になった方はご存じのことだろう。由来は信濃国の高遠藩主である内藤家にある。その名を冠する内藤とうがらしは、6代当主(※7代との説もあり)の内藤が信濃国から持ってきた八房系である。いまの新宿御苑の地に下屋敷を構え、そこで作りはじめた系統だ。

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