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イベントレポート

農村経営研究会の第3回視察会

農業技術通信社は10月6日、農村経営研究会の第3回視察会を開き、岐阜県恵那市の恵那川上屋が経営する栗菓子店と原料の栗を栽培する園地を訪ねた。同社はあくまでも地元特産の「恵那栗」を使うことにこだわる。その意図について鎌田真悟代表は、「風味、風土、風景という3つの風を吹かせるため」と表現する。視察会で一行はその心意気を学ぶことになった。

特産の恵那栗を使った
菓子商品

恵那駅から車で10分ほど走ったところに、車を何十台も収容できる駐車場を備えた恵那川上屋の本社恵那峡店がある。白色を基調にした明るくて広々とした店内に入ると、平日だというのに人だかりだった。
レジには「栗きんとん」など旬の原料を使った栗菓子を買うために多くの人が並んでいる。喫茶コーナーでは、栗の和洋菓子をその場で食べようと、こちらも大勢が列をなしていた。この日は恵那市内を車で移動する道すがら、ほかの栗菓子店も見かけたが、ここまで混雑はしていなかった。その人気の秘密は後ほど明らかにしたい。
同社がこれまで開発した菓子は和洋合わせて1300点ほど。このうち残ったのは300点になる。季節に応じてそれぞれ店頭に陳列している。栗の年間使用量は200tに上り、その半分は地元の恵那栗を用いる。全量を地元産にしたいが、生産量が追いつかないため、残りは県外産でまかなっている。後述するように農業生産法人を設立し、自社で増産に励んでいるところである。
主力商品の「栗きんとん」といっても知らない人がいるかもしれない。蒸した栗の皮を割って中身を取り出し、砂糖を混ぜ込んでたき上げた後、その塊を茶巾で絞った菓子のことをいう。発祥は恵那市に隣接する中津川市で、かつては各家庭で作ってきた東濃地方の伝統的な菓子になる。いま市内では50を超える店がこの銘菓を扱っている。そのなかで後発組なのが恵那川上屋だ。

地元客を相手にする

鎌田氏は和洋菓子店で修業した後、23歳で家業に戻ってきた。そのころの1980年代というのは、ちょうど栗きんとんが売れ始めたときだった。視察会一行との懇談会で当時の様子を次のように語った。

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