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特集

農産物「規格」を考え直す いまこそ民主導への転換を!


そこで農水省は現物のサンプルではなく標準品の写真を検査登録機関に送るようにした。サンプルを写したものを送るのだから、それで事足りるだろうと思われるかもしれないが、コメの農産物検査規格には別表のように混入限度等数値で示されるもの以外に「形質」という重要な概念がある。形質とは要するに見た目だが、これがなかなか難しい。
そこでより農産物検査員がわかりやすいように全国瑞穂食糧検査協会が農産物検査の画像アプリを開発し、アプリをダウンロードすれば誰でも自社が所在する地区の標準品サンプルを画像で確認できるようにした(コメ以外に麦や雑穀用のアプリも販売中)。
このアプリはなかなかの優れもので、画像解析度が非常に高く、拡大画面がすぐに見られるため使い勝手がよい。

【測定器使った検査求める
農産物検査情報交換会】

ここまで読んで勘のよい読者はお気づきだと思うが、冒頭の農水省のアンケートにあった「農産物検査は、農産物検査員の目視による鑑定を基本にしていますが、今後は穀粒判別器の導入をもっと進めるべきだと考えますか」という設問が重要な意味を持ってくる。
農水省は、生産者や流通、実需者を集めて今年1月から3月にかけて「玄米の農産物検査規格に係る情報交換会」を開催、その議論の概要を公表している。そのなかに「農産物検査員の目視による検査はブレが大きいことから測定機による客観的な指標を用いるべき」という意見があったことを記載している。
TPP大筋合意でコメについては米国とオーストラリアに別枠の輸入枠が設定され、外国産米の供給量がさらに増加する。国は輸入される分と同様の国内産米を政府買い入れするため影響はないと言っているが、この措置は国内産米の需要先が失われるということも同時に意味している。
生産調整が廃止されるまで実質3年を切っているにもかかわらず、いつまでも国産米の競争力が付かない対策ばかり行なっている時間的余裕はないはずである。
国が目標とする強い農業を作るためには、いまや最大の弱点になっている稲作農業の構造改革を進め、生産コストを下げて海外の需要を取り込めるように大きく舵を切らなくてはならない。

【コメの画像判別取引
偽装問題の一掃も】

そのための最大の武器になるのが、画像解析機器を使用した「コメの画像取引」である。
画像解析機器の進歩はすさまじく、瞬時にしてコメの一粒一粒の面積がデータ化できるようになっているほか、微細な着色や胴割れなども判別可能で1000粒のなかにそれらの被害粒が何%の割合で入っているのかというデータも瞬時に出てくる。

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