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こうした低価格競争のなかで、大豆をはじめとする原料代、容器、電気代などのコストは上がっている。ついにコストを吸収しきれず廃業する豆腐屋が増えている。後継者がいないことも相まって、2013年末現在の豆腐事業所数は8518(1社が持つ複数の工場を含む)、前年対比で541事業所が減少した。
一方、追い風というのは、健康食品として豆腐への期待値が高まっていることである。昨今、全豆連にはたびたび消費者から「おいしい豆腐はどこで買えますか」という問い合わせが入るという。
また、もともと日本人が提唱したマクロビオティックの食生活が近年、ハリウッドスターの実践によって話題になり、日本に逆輸入されている。このマクロビオティックの特徴のひとつは、肉の代わりに大豆でタンパク質を摂取することだ。国内では10年ほど前から女性の間でブームになり、いまや世界中で豆腐が注目されている。
この2つの状況は数字にも表れている。グラフ2のように豆腐の年間支出金額は減っているが、じつはグラフ3のように年間購入数量は増えているのだ。
このような背景から、推奨マークは、業界にも市場にも、価格から品質へと目を向けさせることを目的として生まれた。
供給者側にとって、マークはおいしい豆腐が価格競争に巻き込まれず、適正な価格で販売できるという差別化の材料になる。
また、購入者側にとっては、これまで価格でしか豆腐を選ぶことができなかったが、品質で選べる機会が増えてくる。こうして業界全体が価格競争ではなく品質向上を目指していく。
さらに全豆連には、マークの事業を通じて市場に対して品質の良い豆腐とはどういうものなのか正しい知識を伝え、健康志向の人々を中心に顧客に取り込もうという意図もある。
全豆連が後援している「豆腐マイスター」もその一環だ。この資格を持つ人が女性を中心に急増、現在1495人が豆腐マイスターとして豆腐の伝道師役を担っている。
【おいしい豆腐がもたらす
大豆品質への注目】
全豆連にマーク取得の応募ができるのは会員の特権でもある。審査を通過してマークを掲載する場合は、1丁当たり1円が全豆連に納められ、これが事業の運営費となる仕組みだ。
推奨マークを取得するには、どんな基準をクリアしなければならないのだろうか。
審査委員は、豆腐マイスターをはじめ、豆腐事業者、豆腐機器製造事業者、大豆卸事業者、凝固剤事業者などが務め、3段階の審査が行なわれる。
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