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今月の数字

年間720ミリリットル瓶3.7本(1人当たりワイン消費数量・2013年度)

10月30日、国税庁は国産ブドウのみを原料として国内で製造された果実酒だけを「日本ワイン」とする告示を策定し、3年後に施行することを発表した。
現在、ワインは「第7次ブーム」を迎えているという。1998年に赤ワインに含まれるポリフェノールの健康効果が注目されて消費数量が数年間で倍増した後、2008年まで需要が低迷したが、この年を境に低価格輸入ワインの販売が伸びてワインの日常化が進んだ結果、13年の消費数量は過去最高の2.66リットル/人となった。成人1人当たり年間720ミリリットル瓶のワインを3.7本飲んでいる計算となる。
しかし、現状で消費数量の7割以上を占めるのは輸入ワインである。とりわけチリ産ワインは07年に経済連携協定(EPA)により関税が引き下げられてから輸入が増加し、日本国内では高品質なチリ産ワインが720ミリリットル400~700円台で流通している。
今後、TPPが発効すると1リットル当たり125円または15%の関税は8年後に撤廃されることが決まっており、米国、オーストラリア、ニュージーランドからの輸入が増加すると考えられる。
じつは、国内で製造される「国産ワイン」の原料の多くは国産のブドウではない。現在のワイン表示は業界団体である「ワイン表示問題検討協議会」の自主基準に基づいており、国産原料を使わず海外から輸入した濃縮果汁に水を添加して製造したワイン(世界の多くでは水を添加することが禁止されている)や、純国産と輸入ワインとを混ぜ合わせた商品もすべて「国産ワイン」と表示することが許されている。
9割は原料であるブドウの良し悪しで決まるといわれるワインの世界で、日本のワインは国際的な信頼性を得られていない。

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