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顧客に喜ばれる麦・大豆づくり

機能性食材として注目される大麦


4月に機能性表示食品の制度が始まると、5月には大塚製薬(株)が大麦β-グルカン成分を含む2つの商品を届け出て受理されている。「大麦生活 大麦ごはん」と「大麦生活 大麦ごはん 和風だし仕立て」である。届け出の際に表示したい機能性として申請した内容はこうだ。
「本品には大麦β-グルカン(食物繊維)が含まれます。大麦β-グルカンには糖質の吸収を抑える、血中コレステロールが高めの方の血中コレステロールを低下させる、おなかの調子を整える機能があることが報告されています」
この説明を読むと、大麦を食べてみようかと思う。しかし長い。実際の商品には次のような言葉が表示されている。
「機能性表示食品、糖質を抑える、コレステロールを低下、おなかの調子を整える、大麦βグルカンたっぷりの国産大麦を使用」
これなら、わかりやすい。機能性表示食品と記してあれば安心感を持たれるだろう。
続いて8月には、(株)はくばくが「大麦効果」という商品を届け出た。11月発売だ。こちらの商品には「機能性表示食品、コレステロールを下げる、腸内環境を改善する」と表示されている。

新たな品種も続々登場

β-グルカンの機能性表示により市場が盛り上がる一方で、国産大麦の供給量はひっぱくしている。農水省の調査によると、実需者の購入希望に対して、今年度産の国産大麦は33%不足している。
今年の食糧用大麦の供給量の見込みは約39万tである。その内訳は、国内の今年の供給量が4万t。前年度からの繰越が7万t、ビール会社と生産者団体の契約栽培による供給が6万t、輸入量が22万tである。
主な輸入元は、二条大麦がオーストラリア、六条大麦がカナダだが、はだか麦は国産のみとされてきた。なかでも、麦ごはんの原料に用いられるもち麦は、ほぼ100%国産といわれていたが、店頭に並んでいる麦ごはん用の大麦の商品を実際に調べてみると米国産と表示されているものもある。
国産の大麦が不足しているのに生産量が伸びない理由のひとつは、価格である。落札価格が2000年に比べ、それぞれt当たり数千円も下落しているのだ。焼酎ブームが去り、焼酎原料としての用途が減ったり、オオムギ縞萎縮病や多雨の影響を受けたりしたことも大きい。
しかし、生産現場を後押しする動きもある。新しい品種が各地で奨励品種、準奨励品種に採用されているのである。
飲料の分野では10年、麦茶用の六条大麦品種「カシマゴール」が茨城県で準奨励品種に採用された。また12年には、ビール用品種としてオオムギ縞萎縮病耐性のある「アスカゴールデン」が栃木県の奨励品種に採用された。さらに13年には、精麦(麦ごはん用など)や麦味噌用として白度が高い、六条はだか麦の「ハルヒメボシ」が愛媛県の奨励品種に採用された。愛媛県は、はだか麦の生産量が全国1位であり、生産量の増加が期待されている。

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