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【特集】
来たれ!TPP【前編・基本講座】
- 編集部
- 2016年02月04日
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PART1
TPP合意の意義と展望
国際通商交渉の第一人者が、TPP合意について10の疑問に答え、その本質的メリットに迫る。
【TPP交渉の総合評価】
今回のTPP交渉をどう評価するべきか。2015年10月5日のTPP大筋合意で日本は何を獲得し、何を失ったのか。この問題は年明けの国会でも取り上げられており、いまや国民的関心事となっている。
昨年は終戦から70年の年であると同時に、日本の戦後国際社会への復帰の第一歩だったGATT(関税貿易一般協定)加入から60年、GATTの後継機関であるWTO(世界貿易機関)設立から20年の節目の年だった。その年にTPP大筋合意ができたことは歴史的に重要だった。なぜなら、TPP合意により日本の貿易自由化の歩みがいよいよ完成期に入ったといえるからである。
TPPが成立すれば日本は究極の貿易パートナーであるアメリカとFTA関係に入ることで「経済安保」を確立したことになる。TPPにより経済的安定とビジネスの予見性を獲得し、国際経済に内在する不確実性を減少させることができた意義は大きい。コメや麦、牛肉や豚肉などいわゆる「重要5品目」についても関税撤廃の原則適用を逃れたわけで失ったものは何もないと筆者は考えている。その農業でさえ、筆者はTPPでさらに強くなれる基盤を国内外で整えていく機会を得たと見ている。
【TPP合意で
よく聞かれる
「10の疑問」】
TPP大筋妥結後、渡邊教授がマスコミから受けた数々の質問のなかで、代表的なものを10ピックアップし、本誌読者のために簡潔に回答する。
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