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【江刺の稲】
縁故米無償譲渡の実態をどう見るか
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第237回 2016年02月04日
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通年での入手経路を見ると、26年度の19.5%から23年度の23.5%と約2割。でも、小さな農家が親戚縁者にコメを送る場合、5kgや10kgという商品パックサイズというより、30kg・60kgといったコメ出荷レベルのサイズで送るのではないか。しかも、僕の身の回りで見聞きする例から想像すれば、玄米で送るケースも少なくないだろう(調査項目は精米)。この玄米を加算すれば、通年でも3割近い比率になるのではないか。
その送り主の大部分はいわば趣味的なコメ作りを続ける高齢小規模農家なのである。彼らにも10a当たり7500円の直接支払いがなされているわけだから、それを“補助金付き大規模家庭菜園”だと揶揄したとしてもあながち的外れではあるまい。そして、彼らはその残りを農協に出荷してコメの供給過剰をもたらしているわけだ。
その送り主の大部分はいわば趣味的なコメ作りを続ける高齢小規模農家なのである。彼らにも10a当たり7500円の直接支払いがなされているわけだから、それを“補助金付き大規模家庭菜園”だと揶揄したとしてもあながち的外れではあるまい。そして、彼らはその残りを農協に出荷してコメの供給過剰をもたらしているわけだ。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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