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特集

来たれ!TPP【中編・実践講座】


当社が生産する50haの農地は
県内140カ所に分散し、国際認証の「グローバルGAP」を取得しています。これは海外の農場をはじめ、グローバルGAPを取得する競合と同等に戦って勝つための戦術であり、ゼロから独自開発したトレーサビリティシステムをプラスαして競合と同一化しない独自性を発揮しています。
このシステムは、農産物のパッケージに記載された識別番号から、生産された畑の位置をウェブ上にピンポイントで示し、農薬、肥料の使用状況や栽培作業の情報などを公開。要は生産過程の「見える化」です。
農産物輸出は、ニンジンやタマネギといった一般野菜でも十分勝負できます。こうしたコモディティな野菜は高級食材と違い、どこの国でも需要の裾野が広く、輸出品目としての潜在力が大きい。野菜は労働集約型なので、海外向け生産を増やすことは地方の雇用拡大にも寄与します。
しかし、生産管理だけで輸出できるほど市場は甘くありません。輸出先での需要を自分たちで創造する。具体的には現地のバイヤーに「売れる」「儲かる」と思ってもらわないといけません。今後は東アジア向けを中心に、輸出を拡大していきたいです。
もっとも「平成の開国」とかいう割に輸出戦略の無策ぶりはあいかわらずです。たとえば、熊本で採れた野菜を香港、台湾に輸出する際、福岡で船に載せると神戸か大阪、横浜、東京と大都市港湾に寄港してから目的地に向かう場合もあります。輸出補助金がWTOで原則禁止の方向にあるなか、日本政府もやみくもに輸出補助金を出せばいいわけではありません。国内の主要産地に近い港から直行便を出したり、国内物流コストの低減につながる公共投資(たとえば生鮮ストックヤード)を行なうほうが輸出を増やす税金の使い方としてはるかに効果的です。

2016
【グローバルGAP取得が国際競争の最低条件に】

食品ビジネスでは、「グローバルGAP(とそれに準じる国際安全規格)」を農産物の安全管理に関する世界標準とする動きが加速しています。このまま定着すると、生産者の出荷先は世界へ広がり、買う側も世界中から調達が可能になります。ビジネス環境の激変期で「環境に適応した生物が生き残る」というダーウィンの適者生存が農業ビジネスでも勝敗を左右します。
私の出した答えは、小規模の集合存立でもなければ大規模による単一存立でもない、国際的に戦える規模による連合存立です。そこで12年、株式会社ファーム・アライアンス・マネジメントを設立しました。国際的に戦える農業者を育成し、フランチャイズパッケージを提供する農業ベンチャーを立ち上げたのです。

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