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読者座談会

よその地域を合わせ鏡にして2016年の農業界の展望を語ろう!


今井敏 滋賀県と富山県が集落営農が一番多いところで、その集落営農が限界に来てどんどん潰れてんねん。いままで10a、20a規模の人がやめていったのが、コメの値段が下がってきて、2~4haつくっていた人が辞め始めて、田んぼは集まってきやすい雰囲気かな。人に関して言うたら、昔は、雇ってくれ、使ってくれっていう若い奴らは、農業だったら俺でもできるだろうってなめた考え方の人間やった。でも、いまは、スキルもあって、意識も高くて、技術もあって、そういう人らが職業として選んで集まるようになったで。
――今井さんのところでも雇われているんですか?
今井敏 うちは14人雇ってるけど、
たとえば、去年雇ったのは、オランダでトマト栽培の勉強をして、農業大学校で実習指導員をやってた女の子。いままでは野菜をついでにつくっている程度やったけど、次の経営の柱にしていこうと思ったら、専門知識と技術を持ってる人が欲しかった。彼女の経験と合致したから雇ってん。だから即戦力やわ。いままでやったら、ほんまにニートとか引きこもったような奴らのお父さん、お母さんが頼みに来て、農業やったらとりあえず人と出会わなくてもいいし。そんな感じで、社会復帰の意味も込めてちょっと雇ってくれやって。ほんま、変わったで。
北川 確かにそういう意味では、うちも現場は6年くらい勤めてくれてる30代半ばの従業員がだいたいの仕事ができるようになったから、自分も出かけられるんですよね。
黒川 だけど、聞いてると、新潟県が一番貧乏だね。裸の王様で。新潟のコシヒカリが一番だなんて15年も20年も前の話なんだけど、今でもまだそれを言ってる農家さんがいっぱいいるんだよね。それは誰が決めるのかってね。自分のコメに自負持つのはすごく大事だけど、王様きどりのその言い方は、絶対に通用しない。悲しいかな、皆さんの言われるような農業者はうちらの地域にはいないよ。
――コメどころ、新潟ならでは事情ですよね。土地は出てくるんですか?
黒川 出てくるよ。うちの地区は耕作しているが3人にまで減って、俺が加わって、もう一人増えそうなんだけど、約480haを4軒あるいは5軒でやる世界。一番大きいのは90haを個人でされているところで、次が42~43ha、その次が俺で約35ha、その次が約32ha。本当にうちらの地域はコメしかないんだもん。兼業農家が減って、補助金をもらったり、ハウスで野菜つくってる人もいるけど、露地栽培は雪が降るから無理だしコストがかかり過ぎなの。うちでも加工場を作りたいんだけど、餅が少しでも冬場の生活の足しになればと思うレベル。幸せなことに、一般消費者は新潟を忌避してないから、まだコメでは新潟のコシヒカリって言ってくださるんだよね。

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