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今年の市場相場を読む

伝統野菜過去10年間の動向 ダイコン/カブ/コマツナ/ウド


カブ
東京産は倍増。食文化とセットで販売して普及へ

【概況】
東京市場へのカブ出荷は、千葉が周年供給しており、シェアは8割近い。関東では漬物需要や家庭用としても必需品になっている。この10年で見ると、入荷は主産地も全体も約2割減2割高。ただし、カブは地域によって独自の品種・食べ方・調理法が確立している。東京市場への入荷量が減ったとしても人気が落ちているわけではない。身のしっかりした春カブ、身が柔らかい秋カブそれぞれおいしい。
【背景】
江戸野菜には2品種・商品のカブが登録されている。なかでも千葉のカブ産地に隣接した金町コカブが有名。主産地は2割減ったものの、東京産カブの入荷は35tから72tへと倍増した。数量そのものは少ないが、ほぼ典型的な都市農業において10年で2倍以上に増えているという事実は、東京の地場野菜、地域野菜として支持が増えてきたことを意味する。若い生産者と市場の仲卸業者などがタッグを組んで振興している。
【今後の対応】
カブの仲間は各地で栽培され、それぞれ地場野菜として地域内流通しているケースが多い。その地域独特のおいしい食べ方があり、商品だけが東京を含む他地域に流通しても価格がつかない。食文化とのセットで普及させるべきものだ。たとえば秋田県には、イブリガッコ用のダイコンがある。また、ナタ漬け(ナタで割って漬ける)というローカルなダイコンもあるが、これらのダイコンと同じように、カブも食文化ごと提案しないと売れない。

コマツナ
江戸時代以来の由緒。「うぐいすな」「ゆきな」の別名も

【概況】
東京市場に入荷するコマツナは、この10年でなんと44%も増えた。価格も14%高い。菜っぱ類のなかでは、生産が安定してホウレンソウなどより作りやすいといわれる。2015年で4割のシェアを持つ周年産地の茨城が、この10年で5倍に入荷増させたのが主要因だが、続く埼玉・群馬も増やした。コマツナに似たツケナ科の菜っぱ類は各地の地場野菜として健在で、それなりの調理法がある。
【背景】
コマツナは、お江戸の小松川近辺で栽培されていたことからついた名前だといわれる。そのため、05年には産地・東京からの入荷が25%もあり、現在の主産地茨城の2倍あった。江戸野菜にはツケナ科の野菜が6品種、うちコマツナが2品種登録されている。ところが、15年には入荷量は6割も減り、シェアも1割程度になってしまった。江戸時代からの産地であり、春まきは生長が早く、冬には霜に当てると甘みが出ておいしい。

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