ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

日本に子実トウモロコシ産業をつくろう


つまり、現状の品質規格は外観重視。ただ、大豆にしろ麦にしろ豆腐や?などに加工することがほとんどで、その場合には外観は求められていないはずである。
「品質規格を重視しなければ、もっともっと低コストで生産できるのではないか」(柳原氏)
ちなみに、米国のトウモロコシ規格は用途別になっていない。容積重(一般的には数値が大きいほど品質は高い)・熱損傷・破損粒&混入異物の度合いによって5等級に区分けされている。

【農作業合理化のために】

具体例として挙がったのは搾油用大豆の収穫。柳原氏は汎用コンバインで1時間当たり約3haを収穫している。自社農場での例年の作付け面積は30ha前後なので、トータルにして10時間ぐらいで刈り取っている。
ただし、収穫の際には汚粒の発生を防ぐよう天候に配慮しているため、コンバインを最大限の時間稼働させられていない点を強調。「4000万円から5000万円するコンバインが毎日倉庫に置いてあって、2、3時間動く程度ということで、機械の稼働率は非常に下がってしまうと思います。最低限、加工に適したクオリティがあれば、見た目とか、そういうものはどうでもいいのかなと思います。品質規格を改革しないと、汎用コンバインを補助事業で入れたとしてもコストがなかなか下がらないのではないでしょうか」
以上のような意見を踏まえて針原氏は次のように主張した。
「これまでコメの政策はいつも現場の後追いだった。現場の動きにとって制度がつっかえ棒や邪魔になるのであれば、それらをどんどん変えればいい。新しい制度をつくることに躊躇してはいけない」
(窪田新之助)

サプライチェーンの構築
市場規模が見えにくいなかで

針原氏は、かつて農水省で推進役をしていた六次産業化を進めるうえで大事にしていたのは「イノベーション」と「バリューチェーン」だと紹介した。このうちバリューチェーンについては「この仕組みでは小さいものでも勝てる。国産トウモロコシはそのモデルになるのではないか」と期待を寄せた。

【統合が進んだ米国】

では、国産トウモロコシでバリューチェーンを構築するうえでの一大課題とは何か。それはインフラの抜本的な改革が求められることだろう。たとえば、国内の飼料工場は米国から穀物を輸送することを前提にしているため太平洋側にしかない。
しかも、既存のインフラを利用するとなると、法規制の問題が立ちはだかってくる。これに関して吉田氏は米国の事例を紹介した。

関連記事

powered by weblio