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トウモロコシのはなし

トウモロコシの主な害虫


寒冷地では年に2~3回、関東などは3~4回、九州では多いと5回ほど発生する。6~11月ごろまで発生するが、夏前が最も被害が大きい。
アワヨトウもアワノメイガと同じく幼虫が食害する。大きさは似ているが、緑色、褐色、黒色などさまざまな体色で背中に白と黒の筋があるため、アワノメイガとは区別しやすい。子実に潜り込んで食害することもあるが、主な被害は葉である。食害量が多く、植物全体を食べつくすこともある。
防除のポイントは、有効な農薬を使用すること、トウモロコシやメヒシバなど乾燥した葉の裏に産卵するため、刈り取り後の残渣を処分し、雑草対策を行なうことである。

●アブラムシ類
ムギクビレアブラムシとトウモロコシアブラムシの2種類が食害する(写真3)。成虫、幼虫が吸汁により植物全体を弱らせるほか、花粉の飛散を妨げて受粉を阻害し、雌穂の登熟不良や不稔を引き起こすことがある。成長点を食害されることで、そもそも大きく育たないケースもある。
アブラムシは卵をバラ科などの樹木に産み付けて越冬し、春からは非常に速い繁殖サイクルで年に何度も発生する。高温に弱く、夏場はやや少ない。
農薬散布が最も有効だが、極端に群生した場合は刈り取り処分したほうが早い。

●その他
このほか、ハリガネムシ類やカメムシ類、コウモリガ、ネキリムシなど、トウモロコシの害虫としては50種類あまりいると言われている。
ただし、現在、トウモロコシ用に登録されている農薬を見てみると、大半がヨトウ類、メイガ類、アブラムシ類に有効なものばかりである。

防除に関する注意点

釈迦に説法だと思うが、農薬選択にあたって登録ラベルの表現を覚えておく必要がある。ややこしいことに、トウモロコシの場合全部で5種類の表記がある(表1)。飼料用、生食用、加工用の用途の違い、ホールクロップサイレージ(青刈り)と子実という収穫する部分の違いがあるからだ。
子実トウモロコシの場合、登録ラベルに「未成熟とうもろこし」のみが書かれた農薬は適用できない。では、そのほかはどれでも使えるのか、デントコーンだから飼料用トウモロコシ用が使用できるかというと、「用途によりけり」というのが答えだ。
農薬によっては、生食用、加工用両方に使えるよう記載されているものでも、子実トウモロコシは1回しか使えないが、飼料用には2回使えるものなどがある。現状では、用途(契約先)を決めてから栽培にあたることが多いため、問題が生じにくいだろう。しかし、自農場で利用する目的でトウモロコシを栽培し、途中で用途を変更したり、近隣で生食用トウモロコシを作っている場合には、薬剤の選択や散布回数は食品として使用しても問題ないように留意しなければならない。

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