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イベントレポート

2016年度土を考える会冬期研修会 九州沖縄/北海道道央支部/中国四国

九州沖縄

【土の法則性を知る土壌・作物に合わせた土づくり】

3月11日、12日の両日にわたり、2016年度九州沖縄土を考える会総会・研修会が熊本県阿蘇市で開催され、九州各県から会員の農業経営者らが参集した。テーマは「土の法則性を知る~土壌・作物に合わせた土づくり~」だった。
手島健次郎会長の開会挨拶の後、まずは土づくりの原点回帰として、全国土の会・会長で東京農業大学名誉教授の後藤逸男氏による「考えよう! 健康な土づくりとは」と題した講演から始まった。
なぜ土はやせていくのか、なぜ根こぶ病は起きるのか、その対策をどうすればいいのか、また畑土壌と水田土壌の違いからそれぞれどのような点に注意しなくてはならないのかなどを科学的に説明した。「土壌診断を受け、その結果必要なものを入れ、過剰なものは入れない。それを自分の判断でできるようにならなくてはいけない」と土壌診断を活かすポイントを伝えた。
土づくりの基本を学んだ後は、後藤氏をアドバイザーに「土壌・作物に合わせた土づくり」についてディスカッションが行なわれた。本田亮希氏、結城良裕氏、吉永悟氏の3名が実例を発表し、それぞれの事例について後藤氏が鋭く突っ込み、深掘りしていった。
「残渣物はどうするの?」「堆肥はどれくらい入れてるの?」「緑肥は?」など、テンポよく質問し、「深起こしをした際の注意事項」「緑肥の使い方」「堆肥と緑肥の使い分け」などのアドバイスを送った。とくに転炉スラグの使用と土壌診断をぜひ取り組んでほしいと強調した。
その後のプログラムは、参加者全員と後藤氏との一問一答の質問タイム。普段土づくりで疑問に思っていることや講演の中で感じた疑問を投げかけた。堆肥・緑肥・肥料・農薬・土壌・病気など多岐にわたる質問に、後藤氏は丁寧にわかりやすく回答した。会場からもアドバイスが飛び出すなど、これぞ土を考える会だ!と感じる盛り上がりだった。
翌日は、「会員さん宅に行こう!」と題して、熊本県阿蘇市を基点にキャベツを栽培している岩下青果を訪問。標高約800mの高冷地は、九州の3月だというのに霜柱が立ち、平地との温度差が感じられた。倉庫にはジョンディアトラクターの横に「デコトラ」がズラリ4台並んでおり、圧巻!! 参加者らも興味津々にのぞいていた。さて、その陰に鎮座していた3.6m幅のロータリーは、どのように道路走行するのか――。倉庫の見学後は、岩下義文氏がこだわりのサブソイラーを紹介し、土中の水の流れ方を考えた作業のやり方を説明した。キャベツの育苗ハウスでは、見慣れない耕うん機を発見! 「古川式スクリュートラクター」は、土の館での展示に猛烈なラブコールを受けていた。視察終了後現地で盛会のうちに解散となった。

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