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特集

未来なき飼料用米政策 高米価の再来を許すな!

コメ業界に3年前を再来させる出来事が起こりつつある。政策誘導の高米価だ。 農林水産省は都道府県に配分する「生産数量目標」で平成28年産は前年産より8万t少ない743万tに決定した。これは需要の見通しである762万tより少ない数字だ。 生産数量目標が達成された場合、民間在庫量は28年6月末に207万t、29年6月末に188万tになる見込み。188万tというのは米価が高騰した平成24年、25年と同じ水準である。需給をひっ迫させて米価を上向かせることを狙っているのは明らかだ。 農水省はこの目標達成に向けて27年産に引き続き、28年産でさらに増産を働きかけるのが飼料用米だ。農家に高額な交付金をちらつかせて、水稲の作付けを飼料用米に引っ張り込ませ、主食用米の生産量を減らそうとしている。いうまでもなく、これは安倍政権が平成30年の実現を目指す「減反廃止」とは逆行するものだ。
こうした飼料用米への誘導による減反強化を背景にコメは値上がりしてきている。農水省が今年4月15日に公表した27年産に関する「米の相対取引価格・数量」。これによると、全銘柄の平均価格は前年同月比111%となった。しかも先物取引は出来秋にさらに高騰することを知らせている。
このままいけば水田農業の構造調整はさらに遅れる。同時にコメを扱う米飯や米菓などの産業の衰退も招きかねない。本特集ではコメ業界の未来を遮る飼料用米政策を検証する。 (窪田新之助)

Section1:ここまできた飼料用米政策の悪影響
関係業界に募る危機感

熊野孝文 米穀新聞社記者

水田フル活用の名のもとに強力に推進されている飼料用米政策。平成27年産は42万t、28年産は60万tの計画を掲げ、農水省はキャラバン隊を組織し、全国33道県で増産を働きかけている。特に生産調整未達成県である7県を重点県と定め、過剰作付け解消達成を目標として推し進めている。重点県のなかには千葉、茨城といった関東早期米の主産地が入っており、飼料用米専用品種でなくても助成金を倍増するという対策が打ち出されたことから主食用早期米の生産量が減少、今年の端境期に早期米不足が起きる恐れが出てきた。
農水省は「需要に見合った生産」をことあるごとに繰り返し述べているが、流通や実需の現場では、必要とする加工原料米や業務用米の価格が急激に値上がりしており、飼料用米増産政策に対する不満や批判が高まっている。飼料用米増産政策により、主食用米、加工用原料米に著しい影響が出始めており、こうした業界では飼料用米増産政策そのものを疑問視しはじめている。

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