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提言

飼料用米から子実トウモロコシへ 地域の未来を見据える真の耕畜連携のかたち


「ただ、魅力ある素材であることは間違いありませんので、すでにNon-GMトウモロコシを使っている採卵鶏農家を紹介させてもらいました」と協力体制はとっている。詳細な詰めはまだだが、先方も興味を示しているという。
また、仕向け先はほかにもある。松隈さん自身が趣味で飼養しているレース鳩の飼料だ。今年播種した0.2ha分あれば、鳥栖市内のレース鳩を十分まかなえる量になる。需要としては限られるが、興味深い販売先の候補である。
松隈さんによれば、レース鳩の飼料には、フランス産、オーストラリア産、インドネシア産などのデントコーン、フリントコーンが使われているそうだ。Non-GMトウモロコシの割合も多く、水分含量が10%を下回り、低ければ低いほど良いとされている。
そこで注目しているのはその値段である。インドネシア産、オーストラリア産のNon-GMトウモロコシの購入価格は2320円/20kg、最良質といわれているフランス産は3000円/20kg。1kg当たりに換算すると116~150円で、一般的な畜産飼料の相場と比べるとその価格は約5~6倍にもなる。「仕入れ値で見てもレース鳩用であれば売価の心配はないし、国産なら米国から長期間かけて運んでくるものに比べると、カビのリスクも低く、Non-GMOでもある。メーカーに聞いても、『そのような素材があるならぜひ欲しい』といわれている」と松隈さんは魅力を感じている。
トウモロコシでも「つくるならほかの人がやっておらず、付加価値の高いものを」という考えで、将来を見据えている。

新しいことに仲間で
一緒に取り組む意義

彼らがこのような取り組みを通じて重視しているのは、個人ではなく仲間で協力して、どのような未来をつくり、地元に還元していけるのかということだ。「販路開拓や新しいチャレンジにしても、まずはグループの誰かが試して、販路に渡りがつけば、その人を窓口にして販売を増やしていったほうが各自でそれぞれルートを持つよりも効率がいい」と松隈さんは話す。
たとえば、キャベツの販売ではすでに立石さんが販売ルートを持っているため、仲間の収穫分も取りまとめて出荷すればいい。品目を増やせばそれだけ交渉先が増える。ただでさえ多忙ななか、世間のニーズをつかむための事前調査も入念に行なわなければならないし、取引先一つひとつと個別にやり取りすれば大変な労力がかかる。それを仲間で分散して省力化しようという工夫である。

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