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なんでそんなに美味しいかというと
まーとにかく手間がかかってる。
あんこを作るのはとても大変です。
ストーブにかけながら炊いては茹でこぼして煮詰めていくのですが
最後の方はちょっと目を離すと焦げちゃって
全てがパーにってこともよくあることです。
もっと遡ると
小豆を育てるのが大変。
ちゃんと言うと、育てるのは
あまり難しくありませんが
問題は収穫。
鞘がついて熟するのがバラバラで
収穫が遅れると弾けて地面に落ちちゃいますから
熟するごとに少しずつ収穫せねばならんのです。
収穫したら干して
脱穀してゴミとって選別してという
まーこれは
そういう時代を生きてきた
おばあちゃんにしかできないだろーなという仕事です。
■
そういう時代
面倒なことと向き合ってきた時代
とでも言いましょうか。
今はとても便利になって
世の中簡単に!と世界的にすごい速度で合理化が進んでいますが
それも面倒なことにしっかり向き合った時代があったからこそ
できたことではないのかな?
僕自身
無駄なこと、面倒くさいこと大嫌い、新しい発明は大好きで
良い意味での合理化はどんどん進めていけば良いと思いますが
どんなに便利になっても生きていく上で直面する
「面倒なことにちゃんと向き合う」という姿勢は
家族みんなで大切にしたいと思っています。
面倒なことから逃げるということが最良の選択になることもありますが
その判断ができるのも
日々面倒に向き合ってこそ
できると思うのです。
■
学校もほとんどの人が
行けるようになり
塾も大繁盛で
今の子供はとても賢くなってきていると思いますが
やる前に「無理!!」というセリフをよく耳にします。
隣の85歳のじいちゃんがよく言うセリフで
「しゃあないな」ってのがあって
やらなければ仕方ないな
という感じの意味ですが
そう言いながらも
僕に言わせても「無理!!」って即答したくなるほどの山や畑を
毎日コツコツと綺麗に
手入れしている姿には
現代っ子との姿勢の違いが
見てとれるような気がします。
■
以前から考えていたのですが
今年は
子供たちと集落のばあちゃんとで
小豆を植えるところから
おはぎを作ってみたいと思います。
あと何年一緒にできるか
わからないけど
集落のじいちゃんばあちゃんが
いるうちに
僕らが言葉で教えられないようなことを
子供たちにはいっぱい学んでほしいと思います。
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山本晋也 ヤマモトシンヤ
副村長
みわダッシュ村
1968年、京都生まれ。美術大学を卒業して渡米後、京都で現代美術作家として活動。そのかたわらオーガニックレストランを経営するも食材を種から作ってみたくなり、京都市内で畑を始める。結婚して3人の子供を授かったころ、農業生産法人みわ・ダッシュ村の清水三雄と出会い、福知山市の限界集落に移住。廃屋を修繕しながら家族で自給自足を目指す。土と向き合ううち田畑と山や川、個人とコミュニティーの関係やその重要性に気がつき、田舎も都会もすべて含めた「大きな意味での自給」を強く意識するようになる。この考え方は、美術家時代にドイツの現代美術家ヨゼフボイスのすべての人が参加して創り上げる社会彫刻という概念に影響を受けた。現在みわ・ダッシュ村副村長。
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