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顧客に喜ばれる麦・大豆づくり

純国産パスタを夢見るデュラム小麦品種「セトデュール」

日本初のデュラム小麦品種「セトデュール」が登場した。これは、パン用、麺用の普通小麦品種に続いて、パスタやマカロニの国産原料として大注目だ。品種開発と同時に、加工特性を見極めるべく、パスタ製造業者との共同開発も進み、デュラムセモリナ粉100%の「純国産パスタ」の商品化への期待が高まっている。  文/加藤祐子

日本初のデュラム小麦品種

デュラムセモリナ粉といえば、パスタやマカロニの原料となる小麦粉のことだ。国内で生産されている小麦は普通小麦と呼ばれる品種が中心で、硬質小麦に分類されるデュラム小麦はほとんど栽培されていない。普通小麦は細かく挽いて、うどんなどの麺類やパンに加工される。一方の硬質小麦は粒が硬く、パスタ製造に最適な粗挽きに向く。いまやパスタは国民の食生活に欠かせない食材となっているが、原料の多くを輸入に頼っているのが現状だ。
そこに新たに登場したのがデュラム小麦品種「セトデュール」。農研機構西日本農業研究センターが日本製粉(株)との共同研究により育成した品種だ。「セト」は温暖で収穫時期に降雨が比較的少ない瀬戸内地域での栽培を見込んでいることを示し、「デュール」はデュラムの語源にもなっている、ラテン語の「硬い」を意味する語である。日本初のデュラム小麦品種として注目を集めている。

セトデュールの特徴は
粒の黄色みと硬さ

デュラム小麦は、地中海沿岸や中近東、米国、カナダなど世界で広く栽培されている。しかし、海外の品種を国内で栽培しても、成熟期が遅く、収穫期が梅雨に重なるなど、商品価値の高い小麦を収穫することが難しかったという。
西日本農業研究センターが注目したのは、温暖で梅雨時期にも降雨が比較的少ない瀬戸内地域の気候だった。1998年にデュラム小麦の品種改良を開始し、2012年に一般圃場での試験栽培と加工特性試験を経て、セトデュールの品種登録出願にこぎ着けた。
セトデュールの特徴は以下のとおりである。(1)農林61号に比べて成熟期がやや遅い中生品種であること。(2)種子の粒は黄色で千粒重がかなり重く、容積重が高いこと。(3)製粉では、普通小麦よりセモリナ生成率が高く、セモリナ粉は黄色みが高いこと。(4)加工したスパゲッティの色調や官能評価は輸入小麦CWAD(カナダ・ウエスタン・アンバー・デュラム)よりやや劣るものの、普通小麦より優れていること。

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