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成田重行流地域開発の戦略学

危機は好機(下)

成田重行さんが約20年前に岐阜県飛騨地域の支援に入ったころ、一大産業だったスキー人口の減少とともにもうひとつの危機が訪れていた。高速道路の開通だ。地元にとっては下火になっていた観光需要がますます減ってしまいかねない。そんな窮地を救ったのは成田さんが得意とするソバである。 文・写真/窪田新之助
元飛騨市長の船坂勝美さんに運転してもらって、JR東海の高山駅からひたすら西に進むと、山間の集落に日本最大の五連水車が見えてきた。水車は大きいもので直径5.5mにもなるという。事前にその存在を聞いていたとはいえ、実際に目の当たりにすると圧倒される大きさだ。目前で見ていると、後ろにある小さな山を覆い隠すくらいの迫力は持っている。
この五連水車をシンボルとする数キロメートルにわたる山間の道は「そば街道」と呼ばれ、道沿いにソバ屋が点在している。そのなかでも最も早い時期に開店した「蕎麦正(そばしょう)」本店を訪ねた。店長の三島正さんは成田さんの影響でソバ屋を始めるに至った人物だ。
成田さんが飛騨地域の開発に乗り出したのは、船坂さんが県地域振興局の局長だった時代。船坂さんに請われて、前号で紹介したような事業を仕掛けていった。
そのひとつに有志の住民を集めたソバによる地域開発の連続講義がある。成田さんといえばソバ打ちに関しては40年以上の実績の持ち主。NHK番組「趣味悠々」の「男のためのそば打ち入門」で講師を務めたほか、その腕を伝授する「蕎麦さろん」を東京都内で主宰して6000人を超える生徒を輩出してきた。そのなかには全国で名の知られる店を開いた人も少なくない。

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