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トウモロコシのはなし

トウモロコシの病害

トウモロコシの病害は、国内で30種類以上が確認されているが、抵抗性品種の開発なども進み、現在押さえておくべき病害は数種類に限定されている。ここでは国内の主要病害と、基本的な防除方法を紹介する。

主な病害

国内で発生している病害のなかで、すす紋病、ごま葉枯病、赤かび病、南方さび病、黒穂病、ワラビー萎縮病は主に葉に発生する。一方、根腐病は土壌病害である。それぞれの病害の特徴を説明しよう。なお、赤かび病については、本連載第6回、第7回でカビ毒の原因として詳述しているのでそちらを参照願いたい。

●すす紋病
北海道などでは毎年発生している。葉に一定時間、水滴が生じるような高湿度で、かつ18~27℃の環境のときに多発する。
下位葉から発生し、黄褐色や灰色で細長い大型病斑を形成する。受粉後の絹糸抽出期以降に感受性が高くなるが、基本的にどのステージでも感染する。早期に感染すると、登熟途中に上位葉まで進行する。感染が著しい場合には雌穂の登熟に影響が出るため、損失は大きい。
病害の進行は早いが、抵抗性品種が多く出回っているため、最近では発生しても致命的な収量ロスに至らないことが多い。

●ごま葉枯病
発生適温度が21~29℃と高く、高湿度条件を好む。比較的暖かい東日本で多く発生する。梅雨明けごろから感染が始まり、生育後期の8~9月に多く見られる。
すす紋病と同じく、葉上に水滴が残るような高湿度条件になると、名前のとおりごま状の褐色の斑点が下位葉から発生し、上位葉に病斑が広がる。病斑により光合成不良になるため、激発時は収量にも大きな影響が出る。アブラムシなどによる吸汁と病徴が類似している。
こちらも抵抗性品種が多く、地域の病害発生状況を鑑みて品種選択をすることが第一の予防になる。

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