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トウモロコシのはなし

トウモロコシの病害



●抵抗性品種の選択((1))
種苗会社や県の試験場などによって多数の抵抗性品種が開発されている。最も多いのが、すす紋病やごま葉枯病耐性品種で、ほかの病害についても耐性を持つ品種がある。以前はトウモロコシの生育ロスの10%は病害が原因と言われていたが、昨今の抵抗性品種の導入により、主要病害でもかなり被害が抑えられるようになってきた。
それぞれの品種が持つ抵抗性の強度については種苗会社のパンフレットなどに記載されているが、自社の取り扱い品種のみで評価しているため、他社の品種との比較については注意が必要である。試験場など行政機関が開発した品種の場合、種苗メーカー品種との栽培比較試験が公表されていることもある。
品種選択は、播種や収穫時期なども複雑に絡むため、総合的な判断が必要になる。地域の病害発生状況を踏まえたうえで種苗会社の担当者と相談されたい。

●適切な施肥((3))
株の生育が不健全な状態になると、病原体に感染しやすくなる。なかでも適切な施肥管理がされていないと、養分の欠乏症が起こる。
よく起こるのは窒素、カルシウム、マグネシウム、カリウムの欠乏症だ。十分に施肥をしたつもりでも、透水性が悪かったり、他の養分が過多になっていると発生する。葉や子実に症状が現れるが、複数の欠乏症で似たような症状が確認されるため、見た目だけでは判断しづらいものがある。原因究明には土壌分析や植物体分析が有効である。
欠乏症を確認した時点で葉面散布をするという手段もあるが、これはあくまで補助的対策で、基本は必要な養分を追肥し、土壌のバランスを整えることが対策となる。

●適正な輪作体系を組む((4))
病害には土壌病害と葉に発生するものがあり、収量への被害は土壌病害のほうが甚大になる。土壌病害は、宿主作物やその残さにより増殖、媒介され、葉の病害も土壌に作物残さがあれば次作以降の飛散のリスクが高まる。できるだけ連作を避け、多くても3作以内とし、基本はほかの作物と輪作を組むことが望ましい。同様の理由から(5)の畑周辺の雑草、栽培残さの除去も重要になる。

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