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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

第二十章 投資の心構え(1)投資と消費は似て非なるもの

イギリスのEU離脱に思うこと

1983年に放送が始まったアニメ『キャプテン翼』。私もご多分に漏れず影響を受けて、サッカーに目覚めた。そのサッカー発祥の地、イギリスがEUから2年後に離脱するという。国民投票の結果を報じるニュースを聞きながら、イギリスにまつわる話題が頭をよぎった。
まずは、86年に開催されたFIFAワールドカップのアルゼンチン対イングランドだ。サッカー好きでなくても知っていよう、アルゼンチン代表のマラドーナが2ゴールを決めて勝利した伝説の試合である。
神の手ゴール(ハンドリングの反則であったとされる)、5人抜きゴール(ゴール・オブ・ザ・センチュリー)はいずれも衝撃的だった。にわか仕込みのマラドーナドリブルが翌日から大流行したのは言うまでもない。中学、高校とサッカーを続け、社会人になっても余暇にサッカーを楽しんできたが、我々の世代が手を使ってゴールする場面に出くわすと「マラドーナ!」と叫んだものである。残念ながら、私はイングランドよりドイツのほうが戦術的にも好きで、憧れの選手もドイツ代表のローター・マテウスだった。
後に知ったのだが、この試合が行なわれたのは、「鉄の女」の異名をとったサッチャー政権時に繰り広げられたフォークランド紛争の4年後である。紛争で大きな犠牲を払い、国交の途絶えた両国にとっては因縁の対決でもあったようだ。
サッチャーといえば、79年からイギリスで首相を務め、財政改革を断行した女傑である。長らく政権を握っていた彼女の政治思想はサッチャリズムと呼ばれ、「ゆりかごから墓場まで」と称される社会福祉政策を継続しつつも、国営企業の民営化と規制緩和を進めたが、経済成長との両立は難しく、財政収支の黒字化には至らなかった。
サッチャーの後を引き継いだメージャー政権下でも財政赤字は解決できず、若き宰相として注目を集めたブレアが率いる労働党への政権交代を招く。ブレアは、党は違えどもサッチャリズムの良いところは真似て、財政の立て直しに成功した。

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