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イベントレポート

地域の食文化を再発見して生かす 農村経営研究会 2016年第3回定例会

農村経営研究会は7月7日、2016年第3回定例会を開催した。食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサーの金丸弘美氏を招き、「地域づくりの視点」の話を聞いた。
金丸氏は、北海道から沖縄まで全国の農村や町など1000カ所を巡り、各地で食文化を再発見し、地域再生に生かす活動をしているプロフェッショナルだ。子供たちの食べものが大切だと考え、秋田から沖縄まで全国約50カ所の学校給食を取材した経験を持つ。食育やワークショップの開催に携わり、その取り組みを実践と出版を通じて広く伝えてきた。今回の講演でも携わってきた事例が次々と紹介され、多くの悩み解決のヒントが提示された。

小さな島でも事業は成り立つ

まず金丸氏が食に関する活動を始めた経緯を紹介しておきたい。
きっかけは、妻の病気と子供の食物アレルギーである。家族の健康のために生活環境を変えようと、2001年に一家で東京から鹿児島県奄美諸島の徳之島に移住した。この島にはかつて、地元の黒糖や塩、適度な量の焼酎を口にするという食生活があった。金丸氏は失われつつある昔ながらの食文化が持つ豊かさを島の人々に伝え、その豊かさを取り戻すことに一緒に取り組んだ。
その9年間の活動と暮らしを描いた『ゆらしい島のスローライフ』(学研教育出版)が出版されると、読者から徳之島に行ってみたいという声が挙がった。そこで、農家民泊で伝統料理を振る舞い、黒糖づくりや南国フルーツのデザートづくりの体験を提供するというツアーの企画に自ら乗り出した。ツアーは評判を集め、いまでいうグリーンツーリズムのモデルのひとつになっている。
「長寿の島として売り出しても、それだけでは説得力がない。どういう食材があって、どういう環境があって、どういう料理があるか、農家民泊を通じて提供する。その活動に農業を噛ませることで、小さな島でも事業として成り立つ」
徳之島での経験は手応え十分で、金丸氏の活動の原点となった。

食べものはどこから来るのか

食を追求するうちに、金丸氏が気づいたのは、そもそも自分たちの食べものがいったいどこから来ているのか、よくわからないということだ。その答えを求めて、農村に足を運ぶようになった。農村を訪ねると、さまざまな相談事を持ちかけられ、そのつど、地域の事情に耳を傾けながら、あの手この手で解決策を一緒に考えて、提案してきた。

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