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トウモロコシのはなし

消費者ニーズから生まれたNon-GM飼料牛乳


この取り組みが始まった70年代といえば、公害や農薬などにより生活の安全が脅かされることが大きな社会問題になっていたころで、食品の安全に対する関心が高まりつつあった。そのなかで、「子供たちが食べるものは自分たちの目で安全を確かめて購入したい」という消費者層が、量販店での個人購入の限界を打ち破るべく共同購入グループを全国各所で立ち上げたというわけだ。
酪農王国でシンプルで真っ当な製品づくりをする同社の取り組みは、当時の世の中のニーズと合致した。こうした直販に近い取り組みは40年以上も続き、現在はさまざまな商品を自分たちで選んで購入できる「よつ葉会」をはじめ、関東を中心に54の共同購入グループが商品を購入している。

Non-GMトウモロコシを
飼料に使った商品

こうして信頼関係を築いた共同購入グループからの要望を受けて開発されたのが、Non-GM飼料を使った牛乳である。よつ葉乳業は指定生乳生産団体のホクレン農業協同組合連合会と傘下のJAを通じてNon-GM飼料に対応できる生産者を募り、99年から製造・販売を開始した。現在、十勝管内の生産者16戸(鹿追町8戸、士幌町2戸、音更町1戸、幕別町5戸)と契約しており、乳牛にして約2000頭、日量約30tの生乳を生産している。Non-GM飼料に対応した生乳は牛乳のほか、ヨーグルト、カマンベールチーズで商品化され、流通に乗っている。
牛の飼料は、粗飼料と濃厚飼料の2種類からなる。一般的な乳牛用飼料における割合は粗飼料が約45%、粗飼料が約55%となっている。
濃厚飼料はいわゆる配合飼料と単味飼料の2つに分けることができる。乳牛用の場合、濃厚飼料はトウモロコシ、大豆、綿実、麦類などが、単味飼料は繊維分を補うためのビートパルプやアルファルファペレットなどが主原料である。いずれも輸入に頼る部分が多く、トウモロコシと大豆は基本的にGMO不分別の状態で輸入したものが使われている。
粗飼料は生草、サイレージ(生草や牧草をカッターで細断し乳酸発酵させたもの)、乾草を主に使う。基本的にはその牧場や周辺地で収穫される牧草、トウモロコシ(デントコーン)でまかなわれるため、言わずもがなこちらは国産でNon-GMOだ。
よつ葉乳業の取引農家は、北海道という恵まれた環境を生かして粗飼料の給与割合を若干増やし、濃厚飼料もNon-GMOに切り換えることで、この取り組みに挑んでいる。当然Non-GM飼料原料の仕入価格が高い分、飼料費が割高になる。そこで指定生乳生産団体の設定する「プレミアム乳価」という形で通常より高めの乳価で買い取っている。

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