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土門「辛」聞

ゴールド興産事件 農水省の無責任対応

昨年、立て続けに起きたゴールド興産と太平物産(倒産)による肥料偽装事件。肥料取締法の欠陥が招いた事件だった。あれだけの事件を起こしておきながら、ゴールド興産と太平物産に対し、農水省消費安全局農産安全管理課は、なぜか肥料取締法の罰則を適用しなかった。農産安全管理課のデタラメ処分の一部始終をつまびらかにしたい。

農産安全管理課の
巧妙なメディア操作

ゴールド興産事件が、その後に起きる太平物産事件と比べて大きく違う点がある。メディアがまったく報じなかったことだ。そのためか一般には事実関係がほとんど知られていない。筆者が事件の概要を知ったのも、事件が起きてから約1年後、7月18日付け河北新報が報じた「有機肥料に化学合成成分 製造販売元を提訴」の記事だった。
「有機肥料として購入した堆肥に化学合成された成分が含まれていたため、有機米として販売・生産できなくなったなどとして、宮城県栗原市や山形県南陽市を含む6道県の有機米生産者が17日までに、製造販売元のゴールド興産(宮城県大崎市)に計約5200万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。」
じつは、ゴールド興産についてあまりよろしくない風評は以前から耳にしていた。有機米生産者の訴えと同じような内容だった。堆肥として販売しているのに、高度化成並みの肥料成分(窒素、りん酸、加里)が含まれている。それでいてライバルメーカーの同等品より半値以下で売られていたからだ。やっぱり噂どおりだったという印象が、この記事の素直な読後感だった。
何よりも不思議なことは、河北新報が取り上げた記事を全国紙がフォローしなかったことだ。NHKは、東北ローカルのニュース枠での扱い。いまなおゴールド興産事件の本質部分が理解されないのは、全国紙の追及不足が原因というより、農産安全管理課の巧妙なメディア操作に、農水省記者クラブがまんまと引っかかってしまったというのが実態だろう。

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