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トマトの「ソバージュ栽培(R)」

トマト生産の現状と新栽培法

基幹野菜であるトマトはハウス栽培が慣行化し、生食用主体の生産が続いてきた。そんななかで「ソバージュ」という、調理用を中心とした露地栽培が新たな栽培法として普及し始めている。その技術からマーケット開拓まで、4回の予定で連載する。

(1) トマト生産の現状と課題

トマト(Solanum lycopersicum L.)は南アメリカのアンデス山脈高原地帯を原産とするナス科ナス属の多年生植物であり、リコピンなどの栄養素を豊富に含む果菜類として知られている。トマトは16世紀初頭にメキシコからヨーロッパに伝えられ、当初は食用ではなく観賞用として栽培されていたが、19世紀にアメリカで食用として急速に栽培および消費が拡大した。トマトは、いまや世界で最も多く生産される野菜であり、日本でも野菜のなかで農業産出額が1位になるなど、消費者に根強く支持されている。

【需要が増えるミニトマト】

トマトを用途別で分類すると、サラダなどで食べる「生食用トマト」とジュースやケチャップなどの原料になる「加工用トマト」に分けられ、さらに生食用トマトは、果実の大きさの違いから、大玉、中玉およびミニの3つに分類される。そのなかでも、ミニトマトは、果実の形状や色、大きさが多様であり、用途が豊富であるなどの利点があり、大玉トマトに比べて花数が多く、着果性が優れており、果実糖度が比較的高いといった特徴がある。また、ミニトマトはリコピンなどの機能性成分を多く含み、日持ち性もよく、食味が優れることから需要が増えている。ミニトマトは現在、トマト生産の約1割を占め、食生活の多様化に伴い、生産量と栽培面積が著しく増加した野菜の一つである。最近では、色や大きさ、形がさまざまな品種が育成され、多くの種類のカラフルトマトが店頭に並ぶようになってきた。ミニトマトは秋から春にかけて、熊本県産、愛知県産および千葉県産が主体に出荷されており、4~6月にかけて出荷のピークを迎える。一方、サラダ需要が多い夏場の生産が少なく、北海道産、茨城県産および千葉県産などが主な産地である(図1)。ミニトマトの夏秋どり栽培の課題は、高温期の草勢低下とそれに伴う減収である。ミニトマトの生産は、栽培しにくい夏場が少なく、市場単価は、出荷量が少ない9月が最も高くなる。

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