ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

今年のおさらい:資金繰り・原価分析・投資を復習しよう

保険制度の原理・原則

今年はとりわけ災害が多かったように思う。気象観測技術は発達しているが、災害への備えは虚しく、全国各地に多くの被害をもたらした。そのうち農林水産省が発表した災害は8つ。順に振り返るとする。
始まりは1月17日、爆弾低気圧による大雪被害だ。その後、4月14日以降に相次いだ熊本地震、6~7月中旬までの豪雨があった。台風は7号、11号と9号のダブルパンチ、10号、16号の4つが被害をもたらした。そして、10月21日の鳥取県中部地震に至る。
現時点で公表されている農作物等の被害額の合計は、なんと900億円である。被害はほぼすべての都道府県に及んでいる。なかでも台風による農作物の被害合計は440億円で、熊本地震による350億円を上回る被害であった。
ご多分に漏れず、我が家も被災した。牛舎関連施設が600坪、施設園芸ハウスが2000坪あるが、被害額は約120万円だった。修復が短期間で済み、少ない被害で済んだと胸を撫で下ろしている。保険が下りたのも幸いであった。
そこで、少し保険について勉強してみた。保険とは、偶然に発生する事故によって生じる財産の損失に備えて、大勢が保険料を出し合い、集まった資金から事故や災害などが発生した者に保険金を給付する制度のことである。歴史をたどれば紀元前3世紀頃から保険のしくみはあったようだが、中世ヨーロッパで今日のような保険制度が整ったとされる。 保険には原理・原則がある。一つは「大数の法則」だ。これは確立論・統計学の法則の一つである。博打好きの私なりにチンチロリンで解説してみよう。
たとえば、インチキのできない面がキチンと整っているサイコロを3つ振り出したとき、ピンゾロ(1が3つ揃う目)が出る確率を考えてみる。サイコロで「1」が出る確率は6分の1だから、「1」が3つそろう確率は6分の1を3回かけた、216分の1である。1回目に出るか、216回目に出るか、216万回目に出るかは誰にも予測できない。しかし216万回投げれば、216分の1に限りなく近い約1万回はピンゾロが出るという法則である。

関連記事

powered by weblio