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土門「辛」聞

農協貴族とドラキュラ経営を白日にさらすべし

全農改革をめぐる官邸・農水省と全農・農協族議員の2016年秋の陣―全農・農協族議員の強い抵抗に官邸・農水省が屈して、改革は骨抜きにされた、あるいは後退したと伝えた新聞やテレビなどの報道は的外れ。官邸・農水省は、負けたふりをして改革を一歩前進させていたのが実態だ。官邸の「交渉代理人」となった規制改革推進会議(略称・推進会議)や、自民党農林部会がまとめた文書などを読み込むと、この結論に至るのだ。
▼11月7日、推進会議、「『攻めの農業』の実現に向けた農協改革の方針」(略称「方針」)
▼11月11日、推進会議、「農協改革に関する意見」(略称「11日意見」)
▼11月25日、自民党農林部会・公明党農林水産部会など、「農業競争力強化プログラム」(略称「党プログラム」)
▼11月28日、推進会議、「農協改革に関する意見」(略称「28日意見」)
▼11月29日、政府、「農業競争力強化プログラム」(略称「政府プログラム」)
流れからみると、規制改革推進会議が、「方針」という形で当面の改革内容を示し、たたみ込むように2つの「意見」で、推進会議が次に踏み込む包括的な改革案を予告してきた。一方の「方針」は、推進会議が自民党農林部会などと協議するたたき台を示したものである。その協議の結果が「党プログラム」という形になった。最後に政府が、それに沿った「政府プログラム」を公表したことで、全農改革「秋の陣」は決着したことになる。

改革骨抜き説は
成り立たない

非常に分かりづらいのが、推進会議が公表した「方針」と「意見」の違い。「方針」は当面の改革内容という受け止め方をした。この場合なら、審議会の「中間答申」という位置づけはどうだろうか。文書に「その目指すべき改革の方向を提言」という表現が使われているし、現に「方針」を公表した7日の推進会議には、安倍晋三首相が出席して、答申を受け取るようなセレモニーもあった。
一方、今後推進会議が取り上げるテーマを予告してきた「11日意見」と「28日意見」の両文書に共通するのが、「組織の在り方に関し、さらに、取り組むべき事項を見出すに至った」という表現。その後に続くフレーズとしては、「従って、それら事項は、今後、推進会議・農業WGが議題として取り上げる」ということになる。「予告編」と呼ぶ所以は、このことだ。

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