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【農業は先進国型産業になった!】
土地・人材・技術革命がそろった大規模農家 (有)ソメノグリーンファーム(茨城県坂東市)
- 評論家 叶芳和
- 第1回 2017年03月03日
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10年前に65haだった経営規模が115haに拡大している。借地で毎年5haずつ規模拡大してきた。稲作は乾田直播で生産性を高めているほか、コメも小麦もソバも全て個人出荷で、農協出荷より高値安定している。顧客志向、利潤動機で経営するイノベーターだ。米国向けコメ輸出も始まった。
染野実氏(56歳)の農場は、日本農業の将来像を具現化している。100haを超える規模、高い経営者能力、乾田直播の導入など、筆者からすると夢に描いてきた農家像だ。
筆者は38年前、日本農業は土地革命、人材革命、技術革命、市場革命の4つの革命が進み、「先進国型産業」になると展望したが(拙著『農業=先進国型産業論』日本経済新聞社1982年参照)、関東平野のど真ん中で、まさにそれが実現しつつある。
ソメノグリーンファームは茨城県坂東市にある(旧猿島郡沓掛村)。平場の広大な耕地が遠くまで広がっている。遠くに筑波山が見える。今やここは染野の農場の領地である。染野実氏は農家5代目で、81年、県立農業大学校(2年間)を卒業して就農した。父は水田と葉タバコを経営し(水田3ha、畑1ha)、冬は出稼ぎという典型的な兼業農家であった。当時、水田1ha、畑1ha、山林(平地林)1haあれば、地域で「長者」と呼ばれていた頃なので、4ha規模は大きい農家であった。染野氏はオヤジの背中を見て農業に就いていた。
[1]115haの大規模経営農家
染野実氏(56歳)の農場は、日本農業の将来像を具現化している。100haを超える規模、高い経営者能力、乾田直播の導入など、筆者からすると夢に描いてきた農家像だ。
筆者は38年前、日本農業は土地革命、人材革命、技術革命、市場革命の4つの革命が進み、「先進国型産業」になると展望したが(拙著『農業=先進国型産業論』日本経済新聞社1982年参照)、関東平野のど真ん中で、まさにそれが実現しつつある。
ソメノグリーンファームは茨城県坂東市にある(旧猿島郡沓掛村)。平場の広大な耕地が遠くまで広がっている。遠くに筑波山が見える。今やここは染野の農場の領地である。染野実氏は農家5代目で、81年、県立農業大学校(2年間)を卒業して就農した。父は水田と葉タバコを経営し(水田3ha、畑1ha)、冬は出稼ぎという典型的な兼業農家であった。当時、水田1ha、畑1ha、山林(平地林)1haあれば、地域で「長者」と呼ばれていた頃なので、4ha規模は大きい農家であった。染野氏はオヤジの背中を見て農業に就いていた。
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叶芳和 カノウヨシカズ
評論家
1943年、鹿児島県奄美大島生まれ。一橋大学大学院経済学研究科 博士課程修了。元・財団法人国民経済研究協会理事長。拓殖大学 国際開発学部教授、帝京平成大学現代ライフ学部教授を経て2012年から現職。主な著書は『農業・先進国型産業論』(日本経済新聞社1982年)、『赤い資本主義・中国』(東洋経済新報社1993年)、『走るアジア送れる日本』(日本評論社2003年)など。
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