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江刺の稲

害獣も天の恵みに変える管理放牧技術

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第250回 2017年03月03日

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今年最初の農村経営研究会を2月15日に開催した。講師はファームエイジ(株)社長の小谷栄二氏。小谷氏はニュージーランドの電気柵を使った管理放牧技術を日本に導入した人である。
小谷氏が指導する電気柵による管理放牧技術とは、放牧家畜の採食量に合わせた牧区を作り、常に牧草が最も栄養価の高い草丈15cm程度の段階で食べさせる。併せて牧草の再生を促し生産量を増大させる。さらに、糞尿還元も含めて放牧地という生態系を健全に保ち、土、草、家畜の循環を守っていくというもの。
こうした放牧管理によってトウモロコシなどの穀物飼料を大幅に減らすことが可能になる。糞尿処理の手間やコストも減り、しかも家畜が健康になるため事故率が減って、仮に乳量が減った場合でも酪農経営の収益性は改善されると事例を紹介して解説した。
小谷氏はニュージーランドと日本の試験研究機関などが共同研究として行なったサイレージの質を比較した調査結果も紹介してくれた。それによれば、ニュージーランドのサイレージは日本のものと比べて栄養化(TDN)がはるかに高い。日本のそれはカサだけが多いのだという。小谷氏はそれを「ニュージーランドでは若々しい竹の子を食べさせているのに対して日本ではいわば竹を食べさせているようなもの」なのだと説明した。

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