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新・農業経営者ルポ

農業者のための会社をつくりたい

野菜の幼葉の総称であるベビーリーフを作る農業生産法人HATAKEカンパニー(茨城県つくば市)は、売り上げが東日本大震災で一時落ち込んだものの、以後は平均117%という成長率を維持してきた。創業20年にして10億円(2016年度)を突破し、170人もの雇用を生み出している。代表の木村誠はなぜ会社を大きくするのか。そこにある思いの源泉をたどる。 文・写真/窪田新之助
木村は飾り気がなく、柔和で思いやりがあり、誠実な人である。最初の出会いで受けた印象はいまも変わらない。
ある方々の仲介で木村と会ったのは昨年9月。それから半年、訳あって毎月のようにHATAKEカンパニーに通っている。多ければ2回、3回という月もある。そのたびに木村が自ら車で最寄り駅まで送迎し、事務所でじっくりと応接してくれる。まったく頭が下がる思いながらも、農業だけでなく仕事に対する姿勢に至るまでとにかく学ぶことが多いので、毎回のようにあれこれと話をうかがう幸運を独り占めさせてもらっている。

食卓の彩りと栄養を
豊かにするベビーリーフ

木村率いるHATAKEカンパニーの拠点は茨城県つくば市にある。私鉄のつくばエクスプレスの研究学園駅から北に車で向かうこと15分。田園地帯の一角に大きくて真新しい建物が見えてくる。2階建ての事務所、それから集荷と出荷の施設を併設した、昨年完成したばかりの本社だ。
周辺の住民たちを中心に170人が働くだけに駐車場は広大そのもので、100台は優に停められそうだ。私が訪れるときは大概晴れており、会社のすぐ向こうに筑波山がのびやかに腰を据えているのがよく見える。

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