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アルパカファームの経営・労務事件簿

今から備える「改正労働契約法」(2)

友人の農業経営者から、パートの間で待遇面に対して不満の声が上がっていると聞いた藤田社長。さっそく伝法院先生に相談した。前号に引き続き「改正労働契約法」について。今回は「同一労働同一賃金」がテーマに。
藤田 伝法院先生、友人の農業経営者から、雇用について相談を受けていまして、先生からもご意見をお聞きしたいのですが。
伝法院 どうされましたか?
藤田 その農業法人では、特に繁忙期は、正社員だけでは仕事が回らないので、パートの人にも正社員と同じ仕事をさせているのですが、賃金など待遇にかなりの差があるらしく、だいぶ古くから働いている一部のパートの人から不満の声が上がっているようで……。
伝法院 なるほど。実は、農業分野に限らず、正社員と同じ働き方にもかかわらず、賃金などが不当に低いパートタイマーの方の待遇が世間的に問題になっています。平成24年には労働契約法(20条)が改正され、正社員、非正規社員間の不合理な格差を見直そうという動きが強まっているんです。
藤田 そうなんですか。確かにうちも、正社員とパートは同じことをやるけど、給料の金額はバラバラだなあ。前までは収穫時期の季節限定の雇用だったんですが、畑の面積を増やせば増やすほど、パートの雇用契約期間も延びてきて、最近では梅雨入り前から来てもらっているし、仕事内容も増えてきているんですよ。先日も労働契約法について話をうかがいましたが(前号参照)、無期契約の問題だけじゃないんですね。うちも気をつけないとなあ。
伝法院 そうですよね。では、どのような点に注意しなければいけないのか。農業では、すべての労働者を無期労働契約や正社員としての雇用が難しいのが現実ですね。しかし、地域の生活を支える基幹産業として、多様な労働力の受け皿としての役割も、農業の大切な側面です。特に今は多様な人材がいて、多様な働き方がある時代。国は、時代に合った多様な働き方を推進するため、賃金を中心とした労働条件について、正社員と有期契約社員との不合理な格差を法律の改正などによってなくそうとしています。近い将来、非正規社員も含めた多様な働き方が中心になる組織はますます増えてくることが予想されています。その来るべき未来に向けて時代に即した人事・労務管理を行なってゆく必要があります。

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