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【今年の市場相場を読む】
機能性表示で普及・拡大しそうな野菜類 ホウレンソウ/タマネギ/ゴーヤー/ミニトマト
- 第248回 2017年05月08日
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ホウレンソウ
漸減傾向は温暖化の影響か。寒締めは抗酸化機能増大
【概況】
東京市場へのホウレンソウ入荷を、05年対15年の10年間で比較すると、数量は15%減り単価は18%高くなった。とくに8月を中心とする夏ホウレンソウは25%程度減っているが、寒さがピークとなる1月の入荷はほぼ変わらない。「緑黄色野菜」の代名詞でもあるホウレンソウは、寒冷な気候を好む植物である。年間を通じて入荷減少傾向になっているのは、近年の温暖化の影響も無視できない。
【背景】
ホウレンソウは鉄分が多く貧血などに効くとされていたが、最近の研究では含有するルティンが目の網膜細胞の酸化を抑制し、黄斑色素密度を上昇させる機能性成分や、抗酸化機能があるフラボノイドが豊富に含まれることが分かってきた。とくに、葉物野菜の寒締め栽培の技術開発をした農研機構の東北センターでは、ホウレンソウを33日間寒締めすると、抗酸化機能や多種のフラボノイドの総量が2~2.5倍に増大することを証明した。
【今後の対応】
野菜の供給が減少する冬期に、葉物野菜を寒締めすると糖やビタミンCが増加して「美味しく」なる。さらに機能性の面でも優れていることを明らかにすれば、消費拡大にも寄与する。植物は低温にさらされると、「活性酸素」が増加して酸化ストレスが上昇する。この酸化ストレス上昇を防ぐ仕組みとして「抗酸化物質」が増加するのだ。夏ホウレンソウは業務用で一定量は必要だろうが、冬場のホウレンソウはもっと増やしていい。
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