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特集

「土を考える会」を考える 後編

今年2月4日、スガノ農機(株)よりFAXが送信されてきた。後日に確認をしたところ、このFAXはすべての取引先および全国土を考える会(スガノ農機と弊社が事務局)の会員をはじめ農業・農機業界メディアに対しても送られていたことが分かった。その内容は、社長である菅野充八氏を同氏のパワハラ、セクハラ行為が同社のコンプライアンス上問題があるという理由から代表取締役を解任し、新たに大森聡氏が代表取締役に就任したというものであった。新社長は前専務取締役で社外から3年前に入った人である。
さらに全国土を考える会の役員に対して3月4日に土を考える会の緊急集会を行なうので来てほしい旨の連絡があり、前田喜芳会長をはじめ多数の役員が東京の会場に集まった。しかし、その集会に参加した役員によれば、菅野前社長の在任期間を示すものらしい「失われた12年」などというパネルとともに前社長の「悪行」をあげつらい新社長の自慢話に終始したという。それを聞いていた多数の会員たちから、その12年間に会員とスガノ農機社員とが実現してきた各地での乾田直播技術の普及をはじめとする日本農業への畑作技術体系の広がりがまったくなかったかのように語られることに対しても強い反発があり、多くの役員たちは途中で席を立った。
それ以後、役員たちは連絡を取り合い、土を考える会の理念や成り立ち、そしてスガノ農機自身の「白の理念」も見失った同社への失望が語り合われた。そして、まず北海道土を考える会が3月28日に北海道北広島市で臨時総会を開催し、今後、北海道土を考える会はスガノ農機を事務局とは認めず、独自の活動をすることを決議した。さらにそれを受けて4月12日に東京都内で臨時役員会を開催し、全国組織もその方向で進めるべく各地での意見をまとめることにした。

前号では「土を考える会」の理念を検証・再確認している。引き続き今号では土を考える会の役員たちによる座談会を掲載する。


昆吉則((株)農業技術通信社代表取締役・全国土を考える会事務局)

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