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江刺の稲

フィリピン農家を通して日本農業を考えた

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第253回 2017年06月13日

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フィリピンの農家の人々約50名を福岡、佐賀、長崎に案内する機会を得た。酪農、水田農業、ジャガイモ、タマネギの生産現場を見せたいという視察ツアーの企画担当者の要望に合わせ、本誌読者諸氏にご協力をお願いした。
スタディーツアーの最初は、僕自身による日本農業の現状と課題、そして可能性と題してお話しした。
日本の農業GDPは国内産業全体の1%にも満たないが、世界のランキングで見れば10位。フィリピンでは2013年にコメ不足が社会問題化したが、日本では1960年代からコメ余りが続いており、それに対して減反政策を40年以上続けてきた。さらに、我が国ではコメを飼料にしており、それに対して最大で10a当たり10万5000円の交付金が支払われる。フィリピンではトウモロコシの大増産が続いているが、飼料穀物の中心であるトウモロコシはすべて輸入に頼ってきた。我が国の農家の耕作面積は平均で2.7ha。今後急激に平均耕作面積は拡大していく。農業就業者の平均年齢が67歳と高齢化しており、やがてリタイヤすることで規模の大きな事業的農家が増えていくことになる。高齢化の進行が一気に日本農業の構造変化をもたらす。一方、全農家平均では、農家所得の53%は補助金である等々。

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