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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
忖度しませんから!!
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第109回 2017年06月13日
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現場の勘違い生産者
そこで、選択と言う単語が発生する。上手くいっている人に聞くか、聞かないかの選択だ。穀物農業はアメリカも含め日本も世界中のほとんどが個人事業主になるが、個人の思いをフル活用で表現できる職業だと思っている勘違い都会人も多い。都会人だけだったら許せるが、現場の生産者にも普通にいるから驚きである。
賢者から学ぶことは多くてもハンカクサイ(バカの北海道弁)連中から学ぶことは何もない。あえて探せと言われると良い反面教師以外の何物でもないことがほとんどだ。
実例を述べてみよう。私が住む長沼町は空知の一番南に位置して、夏の最高気温は北部空知地方よりも寒い。南だから暖かいと思われがちだが現実は違う。長沼で11月15日に播種した春小麦(秋小麦ではない)と北に25kmに位置する岩見沢で5月の連休中に播種した同じ品種の春小麦の収穫が1日しか違わないことが気温の違いを証明することになる。
こんな事例も。豊かな緑の平野が広がる十勝の7月早朝の湿度が90%を超えることはあるだろうか。長沼は5月から太平洋高気圧が張り出す7月中旬までは朝8時くらいまで海霧が入り湿気が高い。数字で言うと90%か100%の湿度の日が普通にある。
何が問題なのか? 麦栽培において赤カビは最も重要視しなければならない。よって高湿度がもたらす赤カビ対策のために殺菌剤を使用することになる。人によっては10回近くも殺菌スプレーする。もちろん法律の範囲内の行為だ。ちょっと調べてみると殺菌剤の種類と回数の組み合わせで軽く100回を超すスプレーヤー散布が法律のもと、存在するのだからありがたい話だ。
赤カビは農薬と育種家の努力の成果である抵抗性品種の登場でホボホボ問題のない所に着地できそうな感じだ。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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