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今年の市場相場を読む

今年はどうなる東北・北海道の夏秋野菜 トマト/キュウリ/ブロッコリー/ピーマン

昨年の夏から秋にかけて、東北~北海道は豪雨や台風の被害をまともに受けて、とりわけ秋以降に夏秋野菜類の出荷量が、品目によって激減。関東産を含め全体的にも作柄は悪く、野菜相場、小売価格が年末近くまで高騰した。高騰した翌年には、生産面積や数量を増やすのが産地・生産者の心理だが、昨年の場合、単に作柄が悪かっただけでなく、圃場が流されるなどの被害を伴っていた。そのため、果たして今年はどんな作付け状況や出荷の流れになるのか、夏秋野菜の動きがどうなるのか、興味深いところだ。いくつかの主要品目の昨年と、前年を対比しながら考えてみよう。

トマト
年末激減して高騰。天候不順で道産より関東の不作誘引

【概況】東京市場のトマトの入荷を15年と16年を比べると、年間を通じ入荷量はほとんど変わらず、平均単価だけが5%強高くなっただけだ。むしろ5月ごろまでは、九州産地と東海、関東産地からの出荷が重なり前年を17%も上回り、単価も300円を切ったほど。しかし6~7月の関東産中心になるとやや減少傾向となり、8~9月は増えるが、原因は道産が前年並みで青森産が順調に出荷されたからだ。その後10~12月が入荷激減で単価も600円を超え高騰した。
【背景】トマトにおける10~12月期は、青森、福島の終盤と千葉、茨城などが中心産地で、熊本などのスタートダッシュとなる時期。16年で一番高騰した(キロ624円)11月は、東北の切上りが早く、関東産が不作傾向で、西の産地も遅れていたという状況が生んだもので、東北・北海道の豪雨・台風被害が直接の原因ではない。むしろ天候不順で生育が遅れ数量も出なかった関東産のせいである。今年も現在まで天候不順だが、作柄は平年並みだろう。
【今後の対応】今年5月上旬に冬春トマトの主要8県が合同で試食宣伝を実施した。15、16年と連続してこの時期に出荷が集中し、相場は暴落商状だった。九州産地の残量と終盤の東海産地、本番を迎える関東産地が重なるからだ。6月以降は東北産地、夏場には北海道も出てくる。今年の夏秋野菜は、作付けも作柄も平年並みである。夏秋トマトはどこかの産地が不調なら必ず補完する産地が控えている。11月から高騰したからといって、今年、作付けを増やす産地はない。

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