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今年の市場相場を読む

夏を乗り切る機能性豊かな野菜類 アンデスメロン/コダマスイカ/あまおう/とちおとめ

夏の野菜といえば、キュウリ、トマト、ナスなど果菜類が中心だが、「夏を乗り切るための(機能性を持った)野菜」という観点でみると、少し様相が異なる。夏場は“夏バテ”の疲労からくる免疫力の低下が問題だ。そこで、時節柄もあり夏秋野菜の機能性を切り口にする視点や販売方法を考えていきたい。果菜類の仲間でも夏に盛りのあるものや、食味に特徴があり癖も強くいかにも夏バテ効果がありそうなものも多い。ネバネバ系といわれる食材には、納豆やメカブ、モズクの他、野菜ではオクラやナガイモなどがある。また、清涼感を演出する香辛野菜類も、高い機能性を持っている。

ゴーヤー
一般家庭への定着を証明。品種の機能性を生かす

【概況】
東京市場に入荷するゴーヤーは、この10年の対比では数量で5%、単価で9%下回る。ただし、16年については、かつてより3月から出荷が増えて7~8月にピークを迎え、9月以降は急激に減る。シーズンを前に早出しする作型が増え、旬に入荷が増え、不需要期に減るというメリハリが出てきた。一般家庭消費を含めてゴーヤーが関東地域で定着してきたことを物語る。主産地沖縄も、27%程度から35%へと地位向上だ。
【背景】
ゴーヤーの苦みは強く、成分のうち植物インシュリンは血糖値や血圧を下げる作用、食欲を増進させる一方、血中脂肪を低下させダイエット効果がある。またカロチンは疲労回復に役立つ。夏が長い沖縄など南方の夏の野菜だけに、夏越しには効能を発揮する。現在では九州のみならず、関東でも生産されているが、機能性の高さという側面からは、本場のシェアが上がり主産地を不動のものにしている。珍しくも一般家庭に定着した個性派野菜だ。
【今後の対応】
暑い夏に欠かせない野菜だが、今後はどう差別化していくかが課題だろう。ゴーヤーの種類は多く、品種により大小様々、 白緑色から黄緑色、濃緑色など色も様々。形状も表面が細くとがったもの、滑らかで太いもの、多数のコブ状の突起があるものなど、種類によって味も成分の含有量も異なる。九州産は細長く苦みが強く、沖縄産は肉厚で太く苦みが少ないとされる。機能性がテーマであるいま、産地には品種の選択で商品性を考えてみたい。

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