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スマート・テロワール通信

山形大学農学部「実証展示圃」で畑作と畜産の循環システムを検証中

スマート・テロワールとは中核となる地方都市と農村からなる自給圏の構想である。 そのコンセプトはサステナビリティ(持続可能性)を目指し、 「田畑輪換を畑作輪作へ転換する」「地域に女性の職場の食品加工場をつくる」 「住民の地元愛で地元産の食品を応援する」という3つに取り組むこと。 実現すれば、21世紀の社会において農村が最も元気になる。

山形大学農学部「実証展示圃」で
畑作と畜産の循環システムを検証中

山形大学農学部附属高坂農場に設けられた実証展示圃での検証は今年で2年目になる。今年はジャガイモ(トヨシロ)、大豆(里のほほえみ・エンレイ・シュウリュウ)、トウモロコシ(TX1334)、緑肥(ヘアリーベッチ・エンバク)を作付けしている。緑肥の後、秋以降に小麦(ゆきちから)を播種する。
現在、日本の畜肉消費は飼料や生肉で米国農業に依存している。実証展示圃では国内で飼料供給体制を開発し、米国と競争できることを実証する。そのために規格内品の収量目標数値を達成し、規格外品を畜産に提供し、畜産の堆肥を畑に投入する。
規格外品を畜産業に無料で提供することにより、従来の畜肉生産コストでは50~60%におよぶ飼料コストを現在の1/3に削減するという仮説を検証する。食品加工業との契約栽培の場合、一般的に収量全体の20~30%が規格外品になる。
また、規格内品の収量の目標数値を達成するため、穀物の輪作体系を組み、堆肥投入による土づくりをする栽培法を検証する。輪作体系はジャガイモ→緑肥→大豆、大豆→トウモロコシ、トウモロコシ→緑肥→小麦、緑肥→ジャガイモ。ポイントは3つ。(1)家畜の飼料にするトウモロコシの栽培経費をできる限り抑える。マメ科の根粒菌による窒素固定で地力を上げ、収穫残渣をすき込んで翌年のトウモロコシの減肥につなげる。(2)秋まき小麦の播種前に、土地の有効活用と土づくりのため緑肥を作付けする。マメ科のヘアリーベッチで窒素固定を、イネ科のエンバクで有機物を投入する。(3)緑肥の後の土壌リセットと有機物の投入としてジャガイモを栽培する。収穫後も緑肥を栽培してすき込む。こうして「畑作と畜産の循環システム」を実証していく。
11月28日に「収穫感謝祭」を開催し、市民にも取り組みを報告する。

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