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自分の畑は自分で診断する

これなら分かる「土と肥料」の実践講座-土のでき方から土の正体を知る

よく世間では農業を肉体労働とみなしているようだが、実は大変な頭脳労働なのだ。とにかく、プロの農業者は一年中ものすごく頭をつかっている。だからこそ試験場の技師さんや大学の先生より、いいものをたくさん収穫できるのだ。しかし、そうしたすばらしい農業者の技術にさえ、正しいものもあれば、理にかなっていないものもある。正しいものはより発展させ、間違っているものは改めていかなくてはならない。とりわけ、土に対する技術には、思い込みの部分も多く、しかも肉眼では見えないことも手伝って、その判定をむずかしくしている。この白黒をはっきりさせることができるものこそ、「土の科学」である。
「土の科学」を自らのものに


 よく世間では農業を肉体労働とみなしているようだが、実は大変な頭脳労働なのだ。

 とにかく、プロの農業者は一年中ものすごく頭をつかっている。だからこそ試験場の技師さんや大学の先生より、いいものをたくさん収穫できるのだ。しかし、そうしたすばらしい農業者の技術にさえ、正しいものもあれば、理にかなっていないものもある。正しいものはより発展させ、間違っているものは改めていかなくてはならない。

 とりわけ、土に対する技術には、思い込みの部分も多く、しかも肉眼では見えないことも手伝って、その判定をむずかしくしている。この白黒をはっきりさせることができるものこそ、「土の科学」である。

 かつて我れわれは、地球は平らなものと信じて疑わなかった。しかし、ロケットさえない時代、すでに一六〇〇年ころには、当時の先端の科学的知識は地球が丸いことを見事に見抜いた。科学・学問は大切にしなければならない。我れわれは、「土の科学」を自分のものにしなければならない。

 世襲性の強い農業は、ややもすると深く考えず、だらだらと習慣的に仕事をしてしまう傾向が強い。しかも、近代農業という名で、施肥や防除の画一化をはかろうとし、耕し方さえも、その原理を忘れさせる風潮の中にあって、作物を育てるというこのうえ極まりない創意工夫の世界を、いまこそ農業経営者たるものは取り戻さなくてはいけない。

 正しい耕し方や施肥、防除のあり方を身につけるためには、まずそれぞれの基本を一度徹底的に学習する時間が必要だ。とりわけ、これらの重要因子である「土の基本」を学びたいという声を、各地の農業者から聞く。

 そこで今号では、千差万別の上をこのような順序でみていけば、理解しやすいという見方を紹介する。

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