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経営に女性あり

無我夢中で働く世代の希望

群馬県勢多郡富士見村。赤城山南麓のこの地域は、首都圏に供給する葉もの類など野菜の産地として知られている。県道の両脇には、一年を通じて緑の消えるひまがない。この地で、野菜専業農家として暮らしている青木朱美さん(42 歳)の一年も、育苗から移植、管理、収穫と作業がとぎれることのない毎日だ。それでも、夕暮れ時になると、農作業の手を休め、刻々と移り変わる赤城山のえも言えぬ美しさに呆然と立ち尽くすことがしばしばある。「いつも自然と真向かっている職業のよさ、自然の中で働けるよさ」と、朱美さんは、このひとときを体中で満喫している。「上も向かずに頑張らざるを得ない日々」を送ってきて、いま少しだけ「自然に目がいく気持ちのゆとりが持てるようになってきた」とひと息つく。煌々と輝く夕日のような四〇代……。まさに働き盛り、大黒柱の農家の主婦は、どんな日々を送り、どんな夢を持つのか。
 群馬県勢多郡富士見村。赤城山南麓のこの地域は、首都圏に供給する葉もの類など野菜の産地として知られている。

 県道の両脇には、一年を通じて緑の消えるひまがない。この地で、野菜専業農家として暮らしている青木朱美さん(42 歳)の一年も、育苗から移植、管理、収穫と作業がとぎれることのない毎日だ。

 それでも、夕暮れ時になると、農作業の手を休め、刻々と移り変わる赤城山のえも言えぬ美しさに呆然と立ち尽くすことがしばしばある。

「いつも自然と真向かっている職業のよさ、自然の中で働けるよさ」

 と、朱美さんは、このひとときを体中で満喫している。

「上も向かずに頑張らざるを得ない日々」を送ってきて、いま少しだけ「自然に目がいく気持ちのゆとりが持てるようになってきた」とひと息つく。

 煌々と輝く夕日のような四〇代……。まさに働き盛り、大黒柱の農家の主婦は、どんな日々を送り、どんな夢を持つのか。


夫婦二人で四・五haの畑を一年中回転


 朱美さんの家は夫婦と、朱美さんの両親、それに一八歳を頭に男の子三人の七人家族だ。これから教育費はかかる一方。また片方で両親は着実に年老いてゆく。「農休日とか、労働時間の短縮っていうけど、どうしても頑張らなくちゃならない世代ってあるよね。気持ちのなかで自分たちが納得していれば、夜の一一時、一二時の夜なべ仕事でもいやじゃないんです」

 どうしても頑張らざるを得ない世代の真っただ中、朱美さんの“いま”はこうだ。

 まず、青木家の作付け形態。露地野菜の専業として生き残ろうと選択した五年前から、朱美さん夫婦は積極的に借地面積を増やしてきた。いまは四・五haの畑 (うち三haが借地)が村の七ヵ所に点在し、田んぼも四五a作る。

 野菜はとにかく市場に出荷しないとお金にならない。経営を安定させるには年間をとおしての周年出荷が必要不可欠だ。

 このため、作付けは、春が田んぼの裏作のキャベツ一haにレタスと菜っぱ、夏作はコマツナ、チングンサイ、ウグイスナなど葉ものが主体で、秋にブロッコリーとキャベツ、ホウレンソウ、冬も特産のホウレンソウと続く。

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