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イベントレポート

第一回季刊農業経営者セミナー
「田んぼ畦ぎわ勉強会」リポート

さる一〇月二四日、本誌主催、協力・スガノ農機で「第一回田んぼ・畦ぎわ勉強会」を開催した。テーマは「異常気象にも平年作!!夫婦二人の稲・麦二毛作」。高松求氏(今号「経営者ルポ」参照)に講師をお願いし、同氏の圃場(茨城県牛久市)で、現在使用の機械をメーカーからの説明も交えながら講義いただいた。
 まず、畦塗機((株)冨士トレーラー製作所)が紹介された。同氏は水管理の大前提である畦塗りを、田植前でなく秋~春季間の他の作業の合間にしている。冬に働くことで結果的に夏の作業が楽になる一つの例だ。

 稲・麦ワラ全量還元のための反転・深起こし技術として、ボトムプラウ(スガノ農機(株))と稲ワラ腐熟促進剤((株)アラヤ)が紹介された。ボトムプラウにより稲・麦ワラを全量還元することは同氏の二毛作の作業・栽培上の重要なカギになつている。腐熟促進剤を施用して鋤込んだところは、生育が良好のようで、また同剤を施用した場合モミガラが二ヵ月で堆肥化できたそうだ。

 同氏はドライブハロー(松山(株))と木製整地板(エムーエスーケー東急)を併用して代かきをしている。手間だと言われているプラウ耕起後の代かきを少ない回数で良好に行え、また過剰な代かきをを防げるようだ。

 農機・資材メーカー、マスコミが見落としがちだとの苦言をいただきながら、農薬タンク内の撹押機、防除ノズルが紹介された。同氏は液剤による防除を行っているが、攪拌機、ノズル、ホース巻取機などの機材をよく選択することで、省力ができ、精密な作業が行えるとのこと。栽培中期の溝切りは関東地方ではほとんど行われていない現状だが、同氏は溝切り機を用いて行っている。水管理が容易になるだけでなく、収穫時期に速やかに水を抜くことができるので、コンバイン作業が容易になるメリットもある。

 作期をずらしての育苗技術として、同氏は剪葉機を利用している。これは、芝刈機に似た、苗の葉先を力ットする機械。この年(九三年)は五月二〇日に播種し七月三日に田植えしたそうだが、四四日間もの高温期にもかかわらず、苗が劣化、徒長せずにすんだ。

 同氏は昨年(社)農文協より「図解・60歳からの水田作業便利帳」(言石頁、一四〇〇円)を出版されました。ここで紹介した機械以外にも、同氏が高能率化と増収を考えた上で使用している機械が一堂に紹介されているので、参考にしていただきたい。


※なお、二月五、六日の両日「第2回田んぼ・畦ぎわ勉強会」を開催しますが、次号にて今回同様リポートします。

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